決してハードルは高くない! 初心者でも堪能できるキャンプ飯「燻製」の基礎知識とその作り方のコツとは
キャンプ料理のなかでも燻製に憧れる人は多いですよね。難しいと思われがちな燻製ですが、実は基本的な知識と道具さえあれば、誰でも簡単に楽しめます。今回は、燻製の基礎知識と道具選びについて紹介していきましょう。 【写真】燻製調理の楽しみ方をチェックする(全9枚)
燻製の調理法は3種類!
そもそも燻製とは、木材を燃やした煙で食材を燻す調理法のこと。調理中の温度により、「熱燻法」「温燻法」「冷燻法」の3種類に分かれます。 「熱燻法」は、80~140℃で10分~1時間ほど燻す方法。水分が残るためジューシーに仕上がるのが特徴です。短時間で作れるため、キャンプにぴったり。初めて燻製をする人にもおすすめです。 「温燻法」は、30~80℃で数時間~1日かけてじっくりと燻す方法。燻製特有の風味や香りが楽しめ、市販の燻製品も多くがこの製法です。本格的な燻製が楽しめるので、時間があるときにはぜひトライしてみてください。 最後の「冷燻法」は、15~30℃の低温で数時間~数週間ほど燻す方法。温度管理が難しいため、燻製の上級者向けと言えるかもしれません。
燻製器は金属製がおすすめ
燻製を始めるには、まず燻製器が必要です。主に金属製と陶器製がありますが、アウトドアでは丈夫で持ち運びやすい金属製がおすすめ。サイズや形状も豊富にあり、燻製法や食材に応じて選びましょう。 「熱燻法」だけを楽しむなら、コンパクトな鍋型や浅い箱型の燻製器が便利です。扱いやすく、組み立ても簡単。「温燻法」に挑戦したい場合や食材が多い時は、高さ30~40cmほどの大きめの燻製器がぴったりです。 とりあえずお試しでトライしたいなら段ボール製の燻製器も選択肢に入ります。耐久性は劣るものの、手軽に使えて安価なのが嬉しいポイント。 また、燻製器と合わせてぜひ用意したいのが温度計です。調理中の温度が仕上がりに大きく影響するため、温度計付きの燻製器を選ぶか別途燻製用の温度計を用意しましょう。
材質は食材に、形状は調理法に合わせて選ぼう
燻製には、「燻煙材」も大きな役割を果たします。材質によって風味が大きく変わるため、食材に合うものを選ぶのが大切。初心者は、さまざまな食材に合う「桜」を選ぶと失敗しにくいでしょう。鶏肉や魚に合う「リンゴ」も人気で、甘い香りが特徴です。 燻煙材の形状は、木材を細かく砕いた「スモークチップ」と、木材の粉を固形燃料状にした「スモークウッド」の2種類。こちらも調理法に合わせて選びます。 器に入れて加熱するスモークチップは熱燻法に向いており、直接火をつけるスモークウッドは長時間安定して燃焼するため、温燻法や冷燻法に最適です。さらに、食材を見栄えよく仕上げるためには燻煙材にザラメを少し加えるのがおすすめ。表面に艶が出て、美しく仕上がりますよ。 燻製は、手軽にアウトドアでの非日常感を楽しめるキャンプ料理です。煙の香ばしい香りに包まれるひとときは、キャンプの楽しみを一層深めてくれるはず。次のキャンプで、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
野中陽平