円安進行、約38年ぶりの水準まで下落 さらなる介入に警戒感 効果は限定的か
円は26日、ドルに対して1986年以来となる最安値に下落した。日米の金利が大きく開いていることから、米ドルは一時約38年ぶりとなる160.39円を付けた。 こうした動きを受けて、日本の当局による為替介入を警戒する市場関係者の間に緊張が走った。市場関係者からは、日本の財務省・日銀の決意を試そうという動きだ、と指摘する声が聞かれた。 政府・日銀は、ドル/円が160円を下回った4―5月に総額約9兆8000億円の為替介入を行った。また日銀も金利を0―0.1%の範囲に引き上げた。 しかし米国の金利は最大5.5%で、投資家はより高い収益を求めてドル資産に集まっている。その結果、ドルは円に対して上昇している。 財務省の神田財務官は24日、市場の行き過ぎた動きに対して、いつでも必要な対応を取る用意があると強調。だが前回の介入が円売り圧力を抑制する効果がほとんどなかったことから、市場はこの警告を無視した格好だ。 7月に日銀はさらなる利上げを行う可能性があり、それが円を支えるかもしれない。 だが円買いが続くためには、米国の利下げが必要との見方が強い。 28日に発表される5月の米個人消費支出(PCE)価格指数は、為替市場にとってカギとなるだろう。予想を下回る数字が出れば、米連邦準備理事会(FRB)が利下げへ傾くという見方が広がる可能性がある。そしてそれが円に一定の安心感を与えるかもしれない。 *見出しを修正して再送します。