「優秀なプレーヤー」が「残念な管理職」に化けるのを防ぐ「3つの習慣」
企業において管理職は、優秀なプレーヤーが任されることが一般的でしょう。ですが、急な昇進後に何をすればよいか分からず、「優秀なプレーヤーだったけれど、管理職としてはぱっとしない」なんて人も少なくありません。そんな“残念な進化”を防ぐためにも、管理職になる前に身に付けたい「3つの習慣」を解説します。 【詳細な図や写真】自分流の「必勝法」を言葉にしておくのが重要な理由とは(Photo/Shutterstock.com)
習慣その1:「言語化」があとで効いてくる理由
1つ目は、「マイルールの言語化」です。自分が成果を出すために行っていることや考え方を言葉にして、いつでも人に伝えられるようにしておきましょう。 たとえば、次のような簡単なもので構いません。 ・出社から30分以内にたまっているすべてのメールに返信する ・商談の進行パターンを固める ・毎日退社前に明日の予定を確認する なぜ、マイルールの言語化が必要なのかというと、再現性高く部下を導くためです。 管理職には部下を成長させる責任があります。優秀なプレーヤーゆえに管理職に選ばれたのですから、そのスキルや経験を部下と共有し、自分と同じかそれ以上に優秀な社員を育成すべきでしょう。 このとき、決して優秀とは言えない部下をどう導くかが管理職の腕の見せ所。元から優秀な部下は放っておいても勝手に成績を残し、成長していくものです。優秀とは言えない部下にこそ管理職の助けが必要なわけですが、優秀な管理職のアドバイスはどうしても感覚的になりがちです。 そこで、自分の真似をしてもらうのが最も効率的なわけです。それだけで、部下は経験やスキルに関係なく成果を残しやすくなります。
習慣その2:結果を出すために超重要、常に確認すべき2条件
2つ目は「期限と状態を意識した行動」です。 自分に与えられた仕事に取りかかる前に、必ず「いつまでにどのような状態にすべきなのか」を頭の中で整理しましょう。
たとえば、以下のようなイメージです。 上司からの指示:「顧客満足度アップを目指してください」 確認すべきこと:いつまでに、どの時期と比較して何%高めたらよいのか 上司の指示:「来週のプレゼンで使う資料を作ってください」 確認すべきこと:完成期限と、資料に組み込むべき項目 これをしないまま仕事を始めた後、上司から「これでは物足りません」「遅いです。もっと早く終わらせてほしかった」「そんな結果は求めていない」と言われてしまったら、まさに骨折り損のくたびれもうけです。 指示を受けた際に「期限と状態」を確認する癖を付けておけば、自分が管理職になったとき、部下に対してもこれらが明確な指示を出せるようになります。そうすると、部下は迷わずに自分の役割に集中できるでしょう。 優秀なプレーヤーであれば上司の求める期限と状態を自分なりに推測し、その中で結果を残そうとするでしょうが、誰にでもできることではありません。指示が明確かどうかは部下が判断するものであり、管理者の役割は部下が理解できる形で指示をすることだと肝に銘じておきましょう。