熊谷真実さんが語る「愛と性と心について」|作家LiLy対談連載「生きるセンス」
性について、もっとオープンに語る風潮が広がっていいと思う――LiLyさん
熊谷真実さん(以下、M):LiLyさんの起業家としてのお話をぜひ聞かせてください。 LiLyさん(以下、L):わぁ、ありがとうございます! 私は〝性〟というものが、もっと健やかに語られていいのではとずっと思っていて。日本はもちろん、世界的に見ても女性が性の話をするのは恥ずかしいことだという風潮っていまだにあると思うんです。もちろん、秘事であるからこそセクシーな部分も大好きなので、全部をオープンにしようよ! とは全く思っていなくて。ただ、これからの時代、もうもっと性のことを健やかに美しく、自分ごととして楽しめる時代がくればいいのになって。 M:おっしゃるとおり! L:はい! で、女性が読む官能小説を出版したり、12歳の女の子を主人公にした性教育ノベルを連載したり、作家としてはこれまでもそこに向けて頑張ってきた自負はあるのですが、本だけではリーチできない層が確かにあって。そこでセクシャルウェルネスのブランドを立ち上げることにしたんです。ベッドの中の時間を豊かにすると日々の幸福度は確実に上がるので、第一弾アイテムは、火でとかすとよい匂いのマッサージ美容液になるキャンドルにしたんです。 M:キャンドル、とても素敵です!! こんなものがあるんだぁって初めて知りました。 L:真実さんは異性とのお付き合いにおいて、今から思い返したときに感じることや、今あらためて考えていることってありますか? M:実はまだ若いころ、性に対して、罪悪感のようなものを抱いていたことがありました。 L:というのは? M:うまく言葉にできないのですが、愛する人があらわれても、愛しすぎてしまうのが怖くて、ある程度の関係までいくと自分から別れを告げてしまったり。なんとなくですが、「汚れたくない」という気持ちがどこかにあった気がします。 L:沼りそうになったら別れる、ということと近いかもしれませんね。 M:今思えば、相手のことを心から受け入れてなかったのかもしれないですね。愛する行為を恐れていたのかもしれません。 L:なるほど! 真実さんってもしかしてすごく…。 M:そう、こう見えて〝真面目〟な人間なんです(笑)。