すべては神村を超えるため…培った堅守「8年かかった」 鹿児島城西が耐えに耐え頂点奪取 後半37分、こじ開けた全国の扉〈全国高校サッカー県予選〉
サッカーの第103回全国高校サッカー選手権鹿児島県大会決勝が17日、鹿児島市の白波スタジアムであった。鹿児島城西が神村学園を1-0で破り、8年ぶり8回目の頂点に立った。鹿児島城西は全国大会(12月28日開幕・首都圏各地)に出場する。組み合わせ抽選会は11月18日に実施される。 【写真】〈関連〉第103回全国高校サッカー選手権鹿児島県大会のトーナメント表で全試合の結果を確認する
【評】鹿城西が終盤に1点を入れ競り勝った。前半はGK藤吉らが好守を見せ0-0で折り返した。後半はカウンターで好機をつくり、後半37分にFW大石が右クロスを押し込んだ。神村は決定機で決めきれなかった。 ◇ 神村が立ちはだかってきた県王者の壁を8年ぶりに破る笛が鳴り響いた。死力を尽くした鹿城西イレブンがピッチに倒れ込む。耐えに耐え、堅守でつかんだ栄冠。新田祐輔監督は「準備してきたことを全て出し切ってくれた」と感慨深げに選手たちを抱擁した。 全国屈指の攻撃力を誇る神村に対し、全員が体を張って最後までしのいだ。「先制されれば終わり」(新田監督)という緊張感の中、激しく体を密着させパスやシュートコースを必死に消した。 「指が折れてでも止める」とGKの藤吉主将は神村のシュートを左手一本で好セーブ。チームを勢いづかせ、直後の得点を呼び込んだ。相手エースの名和田に前を向かせず、シュート1本に封じたMF中村颯の献身的なマークも光った。
セカンドボールの回収でも優位に立った。決勝点は、敵陣で奪取したボールをDF福留がゴール前に送りFW大石が押し込んだ。大石は「全員でもぎ取った」と胸を張った。 「相手の強烈なスタイルに対抗するには、守備で違いを出すしかなかった」と新田監督。藤吉主将は「成長はプレミアリーグに昇格し、強豪との対戦を与えてくれた先輩たちのおかげ」と感謝する。 全国総体準優勝の神村を破って挑む全国選手権。大石は「たくさん点を取り、本気で優勝を目指す」と力を込めた。
南日本新聞 | 鹿児島