3人の医師がぶった斬り!「絶対にやらない健康法」バキバキ矯正・温活・風邪薬の真相
短期で結果を出すパーソナルジム
「短期間で身体を変えることにこだわると、当然大きな負担がかかります。その結果、さまざまな部位に痛みが出るリスクが高まります。私は肩の専門で診察をしているので、腱板(けんばん)断裂や肩鎖関節炎などを実際に見てきました。 それだけでなく糖質を完全にカットするなど、極端な食事法を指導されることもあるようです」 パーソナルトレーニングの健康被害は昨今問題になっており、令和4年には国民生活センターが健康被害例を紹介するほど。 デッドリフトというトレーニングを指導された30代女性が、腰椎と仙骨を骨折したという報告や、徹底した糖質制限の結果、湿疹が出てしまったというケースもあった。 「これは皮膚科で色素性痒疹(ようしん)という診断だったようです。糖質を制限すると身体は代わりに脂肪をエネルギーとして使いますが、その脂肪が分解されるときに脂肪酸の一部は肝臓でケトン体という物質に変わる。 このケトン体が過剰になると“ケトーシス”という状態になり、色素性痒疹を引き起こす可能性もあります。極端な方法を選ばず、時間をかけて行うことが大切ですね」
部分痩せを目指すストレッチ
年齢を重ねるほど二の腕やお腹まわり、太ももなどの脂肪が落ちづらくなる。それにあらがおうと健康器具を使ったり、ストレッチに励むのは「時間とお金のムダ!」と歌島先生に一刀両断された。 「ダイエット目的でのストレッチは、整形外科医は誰もやらないです。筋肉を伸ばしても痩せることはありません。もちろん運動量の高いストレッチもありますが、それなら運動をしましょう。 ダイエットを達成するには、基礎代謝を含んだ消費カロリーが、食事で摂取したカロリーを上回る状況をつくるしかありません。その手段として筋肉を伸ばすことは、意味がないですね」 さらに残念なことに、特定の運動で部分痩せができるという説は整形外科医なら、ほぼ100%否定するという。 「ただ、部分痩せのように見せるだけならできるかもしれません。二の腕のたるみの脂肪だけを落とすのはムリですが、二の腕の筋肉、特に上腕二頭筋と三頭筋を鍛えて筋肥大を起こせばよいのです。そうすれば腕が太く張り、二の腕がタプタプして見えないでしょう」 歌島大輔先生●整形外科医。フリーランス整形外科医として肩関節鏡手術の技術を駆使し、五十肩・腱板断裂などの治療を専門に行う。さらに日本整形外科学会認定スポーツ医や脳科学に基づいたマインドコーチとしても活動し、YouTubeチャンネル「すごいエビデンス治療/整形外科医 歌島大輔」やオンラインサロンで情報発信を続ける。