3人の医師がぶった斬り!「絶対にやらない健康法」バキバキ矯正・温活・風邪薬の真相
食品を使ったスキンケア
ヨーグルトパックで美肌になる、きゅうりパックで目元のむくみを取るなど食品を使ったスキンケアは古くから行われてきた。口に入れてもよい食品を使ったスキンケアは、添加物もなく安心な気がするが……。 「私が皮膚科に勤務していたとき、米ぬかや米麹、ヨーグルトやはちみつパック、ヘチマやアロエなど食品を使ったスキンケアで、肌トラブルになった方がわんさか訪れた。食べられるものだから肌に良いというのは大間違いです」 オリーブオイルクレンジングなど食品成分が含まれた化粧品は不純物を除去して精製しているが、食品をそのまま肌に塗ると刺激になることが多い。 前述のきゅうりにはソラレンという物質が含まれており、塗ったまま紫外線を浴びるとシミの原因になってしまう。 さらに10年ほど前に健康被害が多発した“茶のしずく石鹸”では、製品に含有された小麦由来のタンパク質を肌から吸収し、もともとアレルギーのなかった人まで小麦アレルギーを発症した。このように食べ物を使ったスキンケアは食品アレルギーや重篤なアナフィラキシーショックを起こす危険もある。 北條元治先生●東海大学医学部非常勤講師、医学博士。信州大学医学部付属病院勤務を経て、ペンシルベニア大学医学部で培養皮膚を研究。2004年、細胞保管や再生医療技術支援を行う株式会社セルバンク設立。翌年には肌の再生医療専門のRDクリニック開設に際し、培養皮膚の特許を供与。現在も再生医療の普及に従事している。
日々医学論文に目を通し、科学的に正しい根拠を示しながら健康や生活に関する情報を発信しているのが、柳澤綾子先生だ。親世代から受け継いできた生活の知恵のなかには、現代の知識で再検証すると正しくないことも多いという。
擦り傷、切り傷ですぐに患部を消毒
転倒して擦り傷を作ったり、料理中に切り傷ができると、染みるのを我慢しながら消毒液を塗って化膿(かのう)を防いできたが、これは大きな間違いだそう。 「傷口をヨード系消毒液で消毒した場合と、生理食塩水で洗浄した場合の差を調べた実験では、確かに消毒液を使ったほうが傷口の細菌数は減少していました。 しかし4日後に患部の細菌感染率を見てみると、消毒液を使った場合の感染率はなんと100%。それに対して、生理食塩水で洗った場合はまったく感染していませんでした」 これは消毒液が傷を治すために必要な繊維芽細胞の増殖を抑制していたり、細菌と戦うために必要な白血球や、免疫機能を持つマクロファージにとっても悪影響を及ぼす可能性があるからだそう。 「ケガをしたときはまず砂利などの異物が入り込んでいないか確認し、傷口を生理食塩水で洗浄することが大切です。もちろん流水でも大丈夫なのですが、浸透圧の影響で生理食塩水が一番染みないんですよ」