ソニーが「KADOKAWA買収」で直面する3つの難題、クセの強い2社がタッグを組むのは簡単でない
これまでに築いてきた信頼関係を維持しつつ、KADOKAWAの持つアセットの価値を最大限引き出すためには、今まで以上に高度なバランス感覚が必要になるだろう。 シナジーを見通しづらい事業と、どう決着をつけるのかも大きな課題だ。KADOKAWAは2014年にドワンゴと経営統合し、それぞれの個性ある創業家、創業者が肝煎りで育ててきた事業を展開する。ゲームやアニメ以外に書籍出版、映画、ニコニコ動画関連サービス、教育事業のN高など、多岐にわたる事業を手がけるメディア・コングロマリットだ。
これらすべてをグループ内に残すのか、MBO(経営陣による買収)などを活用して外部化していくのかについても判断が求められる。 KADOKAWAは11月20日にプレスリリースで提案を受けていることを認めたものの、ソニーは一貫して「ノーコメント」(広報部)との態度を貫いている。多くの壁を乗り越え、めでたくゴールインすることができるだろうか。
梅垣 勇人 :東洋経済 記者