あと5年で定年を迎えます「再雇用は給与2割減」と言われたのですが、そういうものでしょうか…?
<図表1> 2.60歳以降に非正規雇用の比率が上昇する 高年齢の就業者に占める非正規雇用の割合は下図のとおり、男性では55~59歳が11.0%であるのに対して、60~64歳が45.3%と、60歳を境に大きく上昇しています。女性の場合でも、55~59歳が58.9%であるのに対して、60~64歳が74.4%となっており、同じく60歳を境に比率が上昇しています(※4)。
<図表2> 3.60歳を境に平均給与が減少している 高年齢者の平均給与は、下図のとおり男女とも60歳を境に大きく下がっていることが分かります。60~64歳の平均給与額は、男女ともに55~59歳の平均給与額の約81%になっています(※5)。
<図表3>
「同一労働同一賃金の原則」とは
60歳を境に正社員から非正規雇用労働者に変わった際、賃金も2割ほど減少する傾向にあることは、先述した資料からも分かります。この状況は、再雇用に伴うものと推測されます。 「パートタイム・有期雇用労働法」では、正社員と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差を禁止しています(※6)。 いわゆる「同一労働同一賃金」といわれるものですが、同じ職務内容の正社員と非正規雇用労働者の賃金に差を設けてはならないこととされています。 一方、再雇用に伴い正社員から非正規雇用労働者に代わり、再雇用後の職務内容や勤務形態が変更された場合は、その職務内容に応じた賃金が支払われることになるため、再雇用前の賃金を要求することはできません。 ただし、再雇用後の職務内容が再雇用前の職務内容と同一であった場合は、同一労働同一賃金に反するとの判例(※7)もありますので、賃金格差に疑問がある場合は厚生労働省が運営している「総合労働相談コーナー」(※8)で相談するとよいでしょう。 なお、再雇用後の賃金が60歳到達時の賃金の75%未満に低下した場合、65歳になるまで高年齢雇用継続給付金が支払われることがありますので、ハローワークで相談するとよいでしょう(※9)。