大島洋平、ビシエド、中田翔…オリックス3連戦で光った中日の「ベテランの力」
セ・パ交流戦はあっという間に全日程の3分の1を消化。中日は6試合を戦って3勝3敗の五分で最初の1週間を終えた。ホームの西武戦でよもやの負け越しを喰らうも、敵地に乗り込んだオリックス戦で2勝1敗と勝ち越し。なおオリックス戦では、3試合すべてのスコアが「2-1」という珍記録も生まれている。 【動画】頼りになる男!大島洋平が放った「46イニングぶり」のタイムリーの映像 今回はオリックス3連戦で光った「ベテランの力」にスポットライトを当てたい。 ■大島洋平が「46イニングぶり」のタイムリー 初戦は虎の子の1点を守りきれず、失策絡みでサヨナラ負け。2戦目も8回まで無得点、1点を追う重苦しい展開が続いていた。 なにせ、タイムリーが出ていない。交流戦直前のヤクルト戦(5月26日)から、チームは45イニングもの間「タイムリー欠乏症」に陥っていた。あと1本が出ていれば……と嘆くのは昨季までと同様だ。 それでも9回に相手投手の才木海翔を攻め立て、無死一、三塁の好機を作る。ここで代打に出てきたのが大島洋平だ。チーム最年長野手の卓越した打撃は健在で、初球をあっさりとセンター前へ運び、実に46イニングぶりのタイムリーを記録。加えて、値千金の同点打である。 続くダヤン・ビシエドもファーストストライクを逃さず、ピッチャー返しの安打。走者を満塁とすると、1死後に石橋康太の犠飛が飛び出し、逆転に成功。最後はライデル・マルティネスが無失点に抑え、連敗を3で止めた。 大島もビシエドも近年の中日打線を支えてきたが、共に35歳を超え、ベテランの領域に入ってきている。同時にスタメンでの出場機会も減っているものの、このようにチームが窮地に追い込まれた時の頼り甲斐は変わらない。 ■一振りで決めたディカーソン&中田翔 明くる日の3戦目は、梅津晃大、曽谷龍平の両若手投手による投げ合いがヒートアップ。7回終了時で0-1と、再び1点差を追う終盤を迎えた。 ここで打棒を爆発させたのがアレックス・ディカーソン。8回1死から、本田仁海の152キロ速球をジャストミートし、ライト5階席に運ぶ同点アーチ。三塁ベンチ前では恒例になりつつある「かめはめ波」パフォーマンスを披露した。 34歳のディカーソンはコンタクト能力の高さを評価されているが、ジャイアンツに在籍した2020年には52試合で10本塁打の実績を持つ。喉から手が出るほど欲しかった「1点」を本塁打で記録するのは、さすがである。 そのまま同点で突入した延長12回、決めたのは真打・中田翔だ。2死二塁から、阿部翔太のカットボールが甘く入ったところを逃さず、レフト線へ決勝タイムリー二塁打。30日の試合で自打球を左膝に当て「痛みはある」と万全でない状態でも、ここぞの一振りでチームを連勝&カード勝ち越しに導いた。 ちなみに中田も今季で35歳。先に出した大島、ビシエド、ディカーソンとともに、若いチームを背中で引っ張っている。週明けからはDHのないバンテリンドームの試合が続くため、ベンチスタートになる可能性が高いものの、この日のように勝負どころで一本打ってくれることを期待したい。 [文:尾張はじめ]