ソフトバンク・小久保裕紀監督「今年は連覇に向けたチャレンジャー」…移籍した甲斐に代わる正捕手が課題
就任2年目となるソフトバンクの小久保裕紀監督(53)が新たなシーズンに向け、「最大の目標はパ・リーグ連覇」と決意を語った。昨季は2位に13・5ゲーム差をつける圧勝で4年ぶりのリーグ優勝を果たしたが、「まだ1回しか勝ってない」と気を引き締める。 【写真】ソフトバンクの正捕手としてチームを支えてきた甲斐
今季もバッテリーを中心とした「守りの野球」を重視する。その中で、オフに巨人へフリーエージェント(FA)移籍した甲斐に代わる正捕手を誰にするかが最も重要な課題となる。
昨季、海野に38試合で先発マスクを任せ、外野手兼任だった谷川原には二軍で捕手の経験を積ませた。「甲斐がいなくなった途端、弱くなったというのは、僕の仕事ができていないということ」。チームを勝たせながら、先を見据えた起用もしてきた。新たな扇の要が機能するかどうかがポイントになりそうだ。
投手陣は、昨季14勝の有原、モイネロ、スチュワートが先発ローテーションに「当確」。「年間を通せば(先発は)7、8人は必要で、(残り)5枠はある」と若手、ベテランの競争をあおる。昨季7勝を挙げた石川がFA移籍で退団しただけに、2年目の前田悠らのアピールにも期待する。
胸に刻んでいる言葉がある。主砲を務めた前身のダイエー時代の1999年、球団は福岡に移転して11年目で初めてリーグ優勝した。歓喜の余韻が残るオフ、最初のミーティングで王貞治監督(現球団会長)は言った。「初優勝より連覇は100倍難しい。絶対に慢心するな」。チームは翌年、競り合いを制して2連覇を遂げた。
新人監督だった昨季と同様、挑戦者の心構えで臨む。「今年は連覇に向けたチャレンジャー」。貪欲に勝利へ向かっていく。(緒方裕明)