【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第8ステージ】カニバルか、ノーギフトか。ポガチャルが2日連続勝利で、8ステージを終えて3勝目。「きっと他の選手たちはうんざりしてるだろう。でも僕は自分のチームのために走っている」
フィニッシュ手前200m。前日総合2位に浮上したばかりのダニエル・マルティネスが、スプリントに向けて腰を上げた瞬間だった。ポガチャルが鋭い加速を切った。「アレルギーのような感じ」でちょっと鼻が詰まっていたが、自慢の爆発力になんら影響はなかった。勝負はあっさりと決した。
前日に続く2連勝にして、今大会8ステージを終えすでに3勝目。今シーズンは18日間レースを走り、早々と10勝目に達した。フィニッシュラインでは当然のようにボーナスタイム10秒も収集し、総合タイム差も改めてほんの少し押し広げた。ポガチャルがマリア・ローザを着てちょうど1週間。総合2位マルティネスにつけた2分40秒という差は、なんと2002年第8ステージで1位と2位の差が3分33秒に開いて以来の大差だという。また前日の段階では総合トップ10はかろうじてポガチャルの5分以内にとどまっていたが、いまや総合7位以下が5分以上の遅れを喫している。
「僕は8ステージ中3つを勝ったけど、5つのステージでは勝てなかったわけで。だから他の選手たちにもたくさんのチャンスはあるということさ」(ポガチャル)
もがくマルティネスが区間2位に、ベン・オコーナーが区間3位に滑り込んだ。最後に攻撃力を披露したアントニオ・ティベーリは、総合3位ゲラント・トーマス、エイネルアウグスト・ルビオ、そしてアイデブルックスと共に2秒遅れでフィニッシュ。つまり総合2位マルティネス、3位トーマス、4位オコーナーの順に変動はなかった。
また前日の総合5位プラップが一気に総合32位まで転落し、総合6位ルツェンコも11位へ後退したため、代わりにアイデブルックスが総合5位浮上。わずか1日で新人賞の白いジャージを取り戻した。21秒遅れの総合6位・新人賞2位に、ティベーリもぴたりとつけている。 文:宮本あさか
宮本 あさか
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