【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第8ステージ】カニバルか、ノーギフトか。ポガチャルが2日連続勝利で、8ステージを終えて3勝目。「きっと他の選手たちはうんざりしてるだろう。でも僕は自分のチームのために走っている」
素晴らしく豪華なメンバーが揃った逃げは、しかし2級山岳の登坂中に、早くも分裂を起こしてしまう。ダウンヒルの先で再び14人は再合流するも、決して最後まで真の協力体制を築き上げられなかった。リードは最大でも2分半ほどにしか広がらず、あとは延々と縮んだり広がったりを繰り返すだけ。
「予想通りに強い逃げができた。でも連帯感が皆無で、まとまって走ることができなかった。UAEチームエミレーツが先に行かせてくれなかったというより、まずなにより僕ら逃げ集団がもっと協力してスピードを上げるべきだった」(ヴァランタン・パレパントル)
そのうちUAEチームエミレーツが本気の追走に乗り出した。2級山岳の上りで一時は後退したものの、下りを利用して再びプロトン先頭に戻ってきたミッケル・ビョーグが、いつしか強烈な牽引を始めていた。
「逃げにとっては不幸なことに、ミッケルとヴェガール(ヴェガールスターケ・ラエンゲン)が長い上りで生き残った。そして2級を下り終えた後、ステージを獲りに行くかどうかをみんなで話し合った。特にミッケルがやる気だった。調子はいい、勝ちを狙おう、と。だからチームのみんなでタイム差を縮めに行くことに決めた。それに正直に言えば、逃げは最初の上りを激しく攻めすぎたね。あそこで炎を燃やしすぎたんだよ」(ポガチャル)
後はただ、タイム差は縮まっていくばかり。乗り越えた2つの山岳をいずれもゲシュケが先頭で通過し、インテルジロでバルデが小さなボーナスタイムを収集した以外は、逃げ集団はなんの成果も得られなかった。残り14.5km、最終山岳の入口で、もはや余裕は35秒しか残っていなかった。大部分が無理せず、静かに後退していった。
唯一ヴァランタン・パレパントルだけが、諦めなかった。1年前には兄オレリアン・パレパントルが、似たようなステージで逃げ切り勝利を手にしている。今年は自分の番にしたかった。わずか15秒後にメイン集団は迫っていたが、残り10km、思い切って前に出た。一時は22秒に差をこじ開けた。必死で足掻いた。
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