【箱根駅伝】駒澤大学は準優勝 “絶望”から復活の佐藤圭汰が、区間新の猛追で復路V「来年リベンジしたい」
第101回箱根駅伝で駒澤大学は前回大会に続き2位だった。今年度は出雲駅伝、全日本大学駅伝でともに2位。王座奪還を狙って臨んだ箱根は往路4位で折り返すと、切り札として7区に投入したエースの佐藤圭汰(3年、洛南)が区間新記録の走りで猛追。総合優勝は青山学院大に譲ったものの、5時間20分50秒の大会新記録で復路を制し、一矢を報いた。 【写真】伊藤蒼唯から襷を受け取る佐藤圭汰
区間新連発の2区で篠原倖太朗が4位
今年のチームで4年生の出走は主将の篠原倖太朗(富里)のみで、箱根経験者の3年生4人、未経験者の1、2年生5人という構成だった。 1区は前回6区を走った帰山侑大(3年、樹徳)。藤田敦史監督は「状態が良かった」とスタートダッシュを任せた。中央大学の吉居駿恭(3年、仙台育英)がいきなり飛び出して独走すると、関東学生連合の亜細亜大学・片川祐大(4年、報徳学園)、専修大学の新井友裕(3年、浦和実業学園)が反応。しかし帰山は青学大や國學院大學の様子を見て後続で集団を形成した。ラスト1kmの勝負で前に出て、トップと1分32秒差の2位で鶴見中継所に飛び込んだ。 2区はハーフマラソン1時間00分11秒の日本人学生記録を持つ篠原。序盤で早稲田大学の山口智規(3年、学法石川)と東京国際大学のリチャード・エティーリ(2年、シル)に抜かれたが、自分のペースを刻むことを意識した。エティーリと並走後、13km付近で山口を抜き返した。 終盤でエティーリ、青学大の黒田朝日(3年、玉野光南)、創価大学の吉田響(4年、東海大静岡翔洋)にかわされ5位に後退したものの、トップの中央大と1分7秒差、1時間06分14秒の区間4位で襷(たすき)を渡した。終わってみればエティーリ、黒田、吉田の3人が1時間05分台の区間新記録を樹立。篠原は「タイムで言えば合格点なんですけど、着順で見るとまだまだ甘かったところがあるので悔しい気持ちは残りますね」と、ハイレベルな戦いを振り返った。
ルーキー谷中晴、桑田駿介が力走
3、4区は谷中晴(帝京安積)、桑田駿介(倉敷)の1年生を並べた。 当日変更で起用された谷中は、出雲駅伝のレース直後に行われた出雲市陸協記録会、通称“もうひとつの出雲駅伝”で優勝。全日本でも4区区間3位と好調でチームの新戦力に加わった。初の箱根でも堂々と走り、19km付近で世界大学クロスカントリー選手権日本代表の佐藤榛紀(4年、四日市工業)を抜いて区間6位、順位を一つ上げた。 4区の桑田は、出雲で1区区間6位と好走したが、全日本は2区区間17位と失速。箱根はリベンジの走りで区間4位と奮闘した。後方から迫ってくる國學院大の青木瑠郁(3年、健大高崎)から逃げ切り、トップと2分17秒差の4位をキープ。5区の山川拓馬(3年、上伊那農業)につないだ。 山川は2度目の山登り。経験を生かし、青学大の若林宏樹(4年、洛南)とガチンコ勝負する想定だった。しかしアクシデントが発生。10km付近で左腕がつってしまい、思うように腕を触れず区間4位と苦戦、順位を上げられなかった。往路を制した青学大とは3分16秒差をつけられ、「チームに申し訳ない」と山川。「1年生の時と違って、暑い状態からスタートして、どんどんと気温が下がっていくレースに慣れていなかった。準備が足りていないと改めて知ることができ、良い経験になったので次につなげていきたい」と話した。 往路後、藤田監督は「青学さんに遅れても最低2分と思っていた。そこからだいぶ離されてしまった。駒澤はタダで起きないという姿勢を見せたい」と復路での逆転を誓った。