俳優・秋川リサが40年以上愛用するエッセンシャルな名品&定番アイテム
SPUR.JPの連載「あの人のお気に入り」第3弾に登場するのは、秋川リサさん。日本のトップモデル、俳優として“本物”を知る彼女が愛する定番&エッセンシャルなアイテムとは? 【写真】秋川リサさんの愛用品をもっと見る
本物に触れることで磨かれた感性
俳優の秋川リサさんは、15歳でモデルデビュー。雑誌『服装』や『anan』、資生堂の専属モデルとして活躍しながら、同時に映画やドラマなどで俳優としてのキャリアを重ねてきた。「仕事を始めたのは1967年。世界のファッションがオートクチュールからプレタポルテへと移り変わり、日本でも、洋服は仕立てるものから百貨店で買うものに変わり始めたとき。『anan』の創刊やミニスカートブーム、パリで高田賢三さんのKENZOが注目されたことなどで、おしゃれへの意識が少しずつ変わり始めた時期でした」。
その頃は、連日撮影のハードスケジュールで、普段はTシャツとジーンズ、冬はファーコートというシンプルなスタイルだったそう。「撮影でヨーロッパに長期滞在したり、KENZOのパリコレに参加したり。エルメスなど海外ブランドの日本のショーにも出演して、そこでカール・ラガーフェルドさんやオスカー・デ・ラ・レンタさんにもお会いしました」。“本物”に触れ磨かれた感性は、ビーズ刺しゅう作家としての活動や、着物のリメイク、料理などの手仕事に生きている。「最近ではアフリカンファブリックで着物を作ったり、ポッドキャストも始めたんですよ」。そんな輝き続ける秋川さんに寄り添ってきた10のアイテムには、たくさんの物語が詰まっていた。
【エルメスのケリーバッグ】時とともに柔らかく深まる色
初めてケリーを手に入れたのは、20代の頃でした。モデルに加えて、舞台やテレビの仕事もして、とても忙しかったので、がんばったご褒美として、最初に黒を、次にベージュ。ルージュのケリーは、独特な色味がお気に入りです。子育てに必死だった時期はしばらく出番がなく、バーキンなどもいくつか友人に譲ってしまいました。このケリーもしばらくクローゼットに眠っていたのですが、エルメスの店舗でリカラーをしてもらってお手入れしながら、今は着こなしの差し色として大活躍しています。もともとの素材が上質だから、時を重ねるごとに柔らかく、深みを増しているような気がします。iPadを持ち運ぶにもちょうどいいサイズなんです。