どの人種より学歴も収入も高いのに…日本人が知らない「理不尽な東アジア人差別」の実態
■「彼らは実力で受賞したのか?」という疑問 キー・ホイ・クァンは、ベトナム戦争のさなかに家族で死線をさまよってアメリカに避難した元ベトナム難民です。ユダヤ系のスピルバーグはキー・ホイ・クァン少年の才能を見抜き、『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』の準主役に抜擢し、『グーニーズ』でも主演キャストのひとりとして抜擢しています。 当時ハリウッドの映画には東洋系俳優、まして子役はほとんどいなかったので、これは大変な抜擢だったのです。一時はアイドルのように大人気になりました。 成長すると役がつかず、大学で映画製作を学び、その後は俳優業から引退し、武術指導のアシスタントとして映画業界にとどまり30年ぶりに出演者として復活した苦労人です。しかし移民の子どもによくあるパターンで、キー・ホイ・クァンも英語のアクセントはベトナム系のクセが強く、カンフーのレベルは高いのですが、演技力がついてこなかったために、大人の役者として大成していません。 一応ポリコレがあるので、彼らは賞を受賞したようですが、ハリウッドの業界筋はあまり快くは思っていなかったのかもしれません。助演男優と主演女優の無視は、彼らの受賞に激怒していた人がかなりいたことの表れでしょう。 ■優秀であるがゆえに嫌われる東アジア人 礼儀も何も無視するレベルでの怒りの表明でしたが、アメリカ社会の白人やアフリカ系からは、差別を非難する発言は出なかったのです。差別だと怒っていたのはアジア系ばかりでした。 ここ最近は個人の多様性や黒人への人種差別に対する抗議運動であるBLM(Black Lives Matter/ブラック・ライヴズ・マター)が騒がれているのに、東洋人はこのような扱いをされるのです。そもそも東アジア人はいまだに立場が弱く、差別される対象です。 とはいえ東アジア人は、どこの土地でももっとも模範的な移民です。 北米でも欧州でも、すべての人種グループにおいて学歴も収入ももっとも高いです。専門職の割合も高いです。アメリカの場合、なんとインド系や東アジア系の収入のほうが地元に代々住んでいる欧州系白人よりも高いのです。また現地の進学校は東アジアの生徒だらけです。 アメリカの場合、東海岸や西海岸の名門校は、生徒の半分が東アジア系の学校もあるほどです。またイギリスにおいても私立の進学校の上位層は、東アジア系の生徒が多くを占めています。