どの人種より学歴も収入も高いのに…日本人が知らない「理不尽な東アジア人差別」の実態
■白人から東洋系へのいじめに見え、大炎上 その翌年(つまり2024年)の授賞式で事件は起きました。 全世界に中継されるアカデミー賞でオスカーを手渡されたロバート・ダウニー・Jr.が、キー・ホイ・クァンの目すら見ず、ほかの受賞者であれば丁寧に挨拶するところを、ほぼ無視して通りすぎてしまったのです。 ロバート・ダウニー・Jr.は大金持ちでヤンチャなことで有名なので「貧民にどう思われるか」など気にしていないようです。昔からこの調子です。 主演女優のミシェル・ヨーからオスカーを手渡された有名女優エマ・ストーンも、ヨーを無視して自身がふだんから仲良くしている女優の方にさっさと行ってしまいました。その女優とは大喜びしてハグまでしています。まるで白人だらけの学校で、女子たちが東洋系の生徒にやるようないじめに見えました。 全世界に中継されるイベントでこのように白人のアメリカ人が東洋系の俳優たちを堂々と無視し、まるで透明人間のように扱った事実は世界中に衝撃を与えました。 ネットでもこの事件は大炎上し「仮にまったく同じことをアフリカ系の俳優やイスラム教徒の俳優に対しておこなったら暴動が起きていただろう」と指摘する声も目立ちました。のちに事態を収拾するような記事が出ています。 ■東洋人は、いまだに差別される存在 しかしアメリカやイギリスの白人の世界では、ロバート・ダウニー・Jr.やエマ・ストーンのような態度や感覚が実は主流です。態度や口には出さない人も多いのですが、ポリコレをそのまま信じるのは危険です。実際の社会は東洋系にはまだまだ大変厳しいものです。 そもそもヨーは、マレーシア出身の中華系の成り上がりと認識されています。イギリスにバレエ留学していたにもかかわらず、英語はマレーシア華人の訛(なま)りのままです。 欧州と香港の金持ちたちと、結婚・離婚しています。ボンドガールを演じたこともありますが、90年代後半以後の北米や欧州でのキャリアは一時引退していたこともありパッとしません。プライベートが話題になることのほうが多く“過去の人”扱いされていました。