鎌ケ谷スタジアムで取材対応する新庄監督（カメラ・岡野　将大）

　日本ハムの新庄剛志監督（５２）が８日、ソフトバンクに移籍した上沢直之投手（３０）に初言及し「すごく悲しい」などと率直な胸の内を明かした。 　千葉・鎌ケ谷で行われたスタッフ会議に出席後、取材対応。２年間ともに戦い、２３年オフにポスティングでメジャーに挑戦した教え子が、１年で帰国してソフトバンク入り。「育て方が違ったのかな。一緒にやりたかった」。思い入れが強かった分、深くなった悲しみは行動にも表れた。ＳＮＳのフォローを自ら外し「初めて外したんじゃないかな。会話をするより先に外しとこ」と距離を置いた理由を説明。ルール上は何も問題がないとはいえ、フリーエージェント（ＦＡ）権取得１年前の他球団への移籍は心情的には納得できなかった。 　また指揮官は、現在のポスティングで渡米後、メジャー退団の際にＦＡになるルールに触れた。ＦＡ取得１年前のポスティングだっただけに「（古巣に戻って）もう１年待って、ファンのためにも（日本ハムで）とんでもない活躍をして（ＦＡ権を行使して）どこにでも行ってください。あなたの自由ですよ」と私見を明かした。過去には有原もポスティングの後、ソフトバンクに移籍しており「ソフトバンクファンは心から喜べるのかな。正直、（上沢を）取りに来てほしくなかった」と、やるせない思いを語った。 　それでも最後は、吹っ切れた様子で「終わったことなので。いないものはいないんで。ファンのためにも、彼が投げるときは、とにかく負けない」と打倒上沢を宣言した。シーズンでは、４月１日のエスコン開幕戦で、ソフトバンクと対戦する。指揮官は「伊藤くんと投げ合っても面白い」と来たる日に向け、戦闘態勢を整える。（川上　晴輝） 　◆上沢のメジャー挑戦からの経過（日本時間） 　▽２３年１０月２８日　エスコンで会見し、ポスティングによるメジャー挑戦を表明。 　▽２４年１月１２日　レイズとマイナー契約。メジャーキャンプには招待選手として参加。 　▽３月２３日　マイナー降格を通達される。 　▽同２８日　Ｒソックスに金銭トレードで加入。 　▽４月２９日　メジャー初昇格。 　▽５月３日　本拠地・ジャイアンツ戦でメジャーデビューし、２回無安打無失点。 　▽同９日　２登板、防御率２．２５でマイナーに降格。 　▽７月１０日　Ｒソックスを事実上の戦力外（ＤＦＡ）。 　▽同１４日　Ｒソックス傘下３Ａウースターとマイナー契約。そのままシーズンを終えてＦＡに。 　▽１２月１８日　ソフトバンクが日本ハムとの争奪戦を制して４年総額１０億円の大型契約で獲得したことを発表。 　▽同２６日　福岡市内で入団会見「この決断が良かったと言えるように、プレーや結果で見せたい」。