スイーツはコーヒーのためにある。味も雰囲気も完璧すぎる銀座の老舗『トリコロール』はなぜこんなに美味しいのか
●昭和11年から愛され続ける老舗喫茶店『トリコロール 本店』はコーヒー、スイーツ、モーニング。すべてのレベルが高い!
東京・銀座のあづま通りに佇む『トリコロール 本店』(以下・トリコロール)といえば、コーヒー好きはもちろん、スイーツ好き、モーニング好きにも「銀座に来たら絶対ハズせない!」と言われている伝説級の老舗。 伝説の喫茶店『トリコロール』のコーヒー&スイーツの画像を見る もとは初代店主の故・柴田文次氏が日本へのコーヒー普及を目的に1936年(昭和11年)に設立したお店ですが、今や泣く子も黙る銀座を代表する老舗の一つとなっています。
まずもって外観からひと味違います。入り口が回転ドアになっているんです。ファッション誌の撮影でもよく使われるそうで、そこに立つだけで気分がアガります。「カフェ」というよりも、あえて「喫茶店」と呼びたい、そんな雰囲気のお店です。 そして、店内も写真の通り。天窓とシャンデリア、アンティークの調度品……ここはヨーロッパ?と錯覚してしまうような空間です。
こういう非日常感をゆったり楽しめるのも、トリコロールならでは。今回は、このお店が誇る名物スイーツ「エクレア」と「アップルパイ」、そして至極のコーヒーを味わってきたので、その魅力をお伝えしていきましょう。
すべてのスイーツはコーヒーのためにある!?
今回、注文したのは、トリコロールのなかでも特に人気の「エクレア」(650円)とのセットと「アップルパイ」(710円)。店長の野崎さんによれば「コーヒーと一緒に味わっていただくことをおすすめします」とのこと。 すべてのスイーツはコーヒーに合うように作られているそうです。そこで「アンティーク ブレンドコーヒー」(1070円)を合わせました。コーヒーとセットにすると、エクレアは1570円、アップルパイは1630円になります。 「アンティーク ブレンドコーヒー」は、中南米の標高の高い山で収穫されたコーヒー豆を独自にブレンドしています。注文が入ってから豆を挽き、ネルを使用したハンドドリップで丁寧に抽出しています。
「1936年創業時のことを知る資料は、東京大空襲で建物とともにほとんど焼失してしまったため詳しくはわからないのですが、〈アンティーク ブレンドコーヒー〉は、戦後の昭和30年代に良質な豆が入ってくるようになり、創業時の味になるべく近づけるようにブレンドされた味だと聞いています」と、広報担当の相馬さん。 一方、エクレアは2006年頃から販売開始。実はエクレアも創業時にメニューに入っていたそうですが、どんな形で提供されていたかは不明とのこと。現在提供されているエクレアは、注文を受けてからシューにクリームを詰めてチョコレートで仕上げているそうです。 チョコがかかっていないプレーンなタイプと、エクレアの2本セット。添えられた小瓶には、クラッシュしたナッツが入っていて、チョコクリームにふりかけていただくこともできます。