言われた仕事をやるだけの〈指示待ち社員〉の量産を防ぐ最善策!…やりがいのある仕事より、新人社員の〈やる気〉を引き出す「意外とシンプルなこと」
信頼関係を築く条件
新人との信頼関係を築き、指導の役割を果たすためには、大きく2つのポイントがあります。 1.組織の課題や方針についてよく理解していること まず、新人の育成計画について、上司がどう考えているか、OJTをつうじて、新人に何を学んでほしいかを理解しておくことが必要です。指導担当者として、何を求められているのかがわかっていなければ、適切な指導はできません。また、上司の命令と、あなたの指導との間にズレや矛盾があると、あなたの指導そのものに疑念が生じて、全面的に受け入れることができなくなるからです。 同時に、上司から新人に、みなさんが指導担当者であること、みなさんから何を学んでほしいと思っているかを伝えてもらうのも有効です。これによって、新人はみなさんの言うことに対して、聞こうという姿勢をもつからです。 2.新人の行動や考え方について十分に把握していること みなさんが新人と接する際、「よき相談相手として、アドバイスする」ことを明確に意識することです。これが、新人の行動や考え方について十分に把握し、適切な指導を行うことにつながります。 新人は後輩ではありますが、役職をもたない一般社員という意味では、対等な関係です。一方的に押しつける方法では信頼関係は築けません。傾聴や質問などのスキルを活用して、対等な関係でのコミュニケーションを深めましょう。また、相手の進む方向性を明確にして、能力や行動を引き出し、目標達成を支援する働きかけをしていかなくてはなりません。 「一度限りの人生を自分らしくよりよく生きたい」という欲求は誰でももっているもの。新人とみなさんがお互いの「個」を認め合い、信頼関係のうえで新たなものを生み出す「協働関係」を構築していけるよう、心がけたいものです。よき相談相手であり、自分より経験もスキルもあるあなたを、新人が尊敬し、目標とすることになれば、指導をよりスムーズに行うことができるはずです。