能登半島 地震と豪雨“二重被災”の悲劇…集中豪雨と闘う!
この日、小山さんが訪ねたのは、金属加工「明和」(愛知・安城市)の工場。なだらかな坂の下に倉庫があるため、大雨が降るたび浸水被害が多発していた。 小山さんは、早速「みずからまもる君」を設置する。すると、約1分でシャッター前をふさぐことができた。 「明和」の小川新之助さんは、「かなり軽くてフレキシブルに対応できるのが素晴らしい」と絶賛し、導入が決まった。
北陸を中心に950店以上を展開する大手ドラッグストア「クスリのアオキ」の本社(石川・白山市)では、去年から水害対策として「みずからまもる君」の導入を始めている。 だが、震災の対応に追われた輪島店ではまだ導入しておらず、能登での記録的な豪雨によって被害を受けてしまった。 防災対策の強化を急ぎ「みずからまもる君」の導入拡大を考えていた「クスリのアオキ」。そこで小山さんは、商談の場に、新たに開発した対策グッズを持ち込んで提案する。
水害から命を救え! 独自開発のボートで挑む熱血漢
7月26日。山梨・山中湖村に住む佐々木甲さん(67)は、豪雨災害のニュースを見つめていた。7月25日に大雨特別警報が出された山形県は、記録的な豪雨に襲われていた。 「やっぱり行かないとダメだな」と佐々木さん。
佐々木さんは水害から救助するためのエアボートを開発している。エアボートの動力は巨大なプロペラで起こす風。スクリューが使えない場所でも威力を発揮する。 「救助艇が目の前にあるのに、テレビでその状況を見ているのは嫌なもの」。 いてもたってもいられない佐々木さんは、急いで山形に向かうことにした。これまでも水害があれば、そのたびに現場に駆けつけてきたのだ。
番組では2013年に、救助専門のエアボートづくりに挑む佐々木さん(当時56歳)に密着していた。その開発のきっかけは東日本大震災の津波で友人を亡くしたこと。津波や水害に負けない救助専門艇を造るため、悪戦苦闘していた。
そして2019年、台風による大雨で長野県の千曲川が氾濫。そこでエアボートが真価を発揮する。いち早く災害現場に乗り込んだ佐々木さんは、エアボートで水や泥がたまったアスファルトの上を突き進む。孤立していた人たちを助け、水害の現場で存分にその力を示したのだ。