能登半島 地震と豪雨“二重被災”の悲劇…集中豪雨と闘う!
9月27日。堂角さんは、信金の職員たちと、豪雨で被災した包装資材店「三辻商店」(※辻の字は一点しんにょう 以下同)の倉庫へ出向き、みんなで泥かきの手伝いをしていた。店を営む三辻敬さんによると、「被害総額はざっと700~800万円」。震災後、堂角さんの支援で再建が軌道に乗り始めた矢先の水害だった。 堂角さんは、「今まで『なんとか輪島でやろう』と思っていた人が『これはもうダメだ』と思って輪島を出て行くことが一番心配。協力してほしいことがあったら、できる限りするつもり」と話す。
浸水被害から住宅や企業を守る「みずからまもる君」
異常気象が全国で常態化し、日本全国で豪雨被害が頻発している。2013年から10年間の水害の被害額は、7兆円以上(出所:国交省)に達していた。 今年も台風10号の影響で新幹線が3日間運休。さらに神奈川県の国道246号で斜面が崩壊し、東京と静岡を結ぶ大動脈が、10日間にわたり寸断された。 東京23区でもゲリラ豪雨が度々発生。新宿ではマンホールから大量の水が吹き出し、地下鉄にも水が流れ込んだ。短時間の集中豪雨で、多くの店舗が浸水被害に。
いつどこでも起こりうる水害に向け、注目が高まっているのが防災グッズだ。ホームセンターで開かれた防災フェスで、ひときわ関心を集めていたのが、浸水被害を食い止める「みずからまもる君」。 ワンタッチで連結できるプラスチック製の止水板で、土のうの代わりに建物の入口などに設置する。水位30センチまで浸水を防ぎ、水漏れは土のうの40分の1だという。 秘密は背面と底面に取り付けたゴム製のパッキンで、これが水の重さを利用して接地力を高め、隙間を埋める。 去年販売を始めた「みずからまもる君」は、今年すでに5000台以上を出荷。能登半島豪雨の後は、注文が急増している。
「みずからまもる君」を開発したのは、自動車を中心に、ゴムやプラスチック部品の開発・受託製造などを行う「ゴムノイナキ」(愛知・名古屋市 創業1919年)。開発者の小山俊一さん(45)は入社12年目で、2年前、新商品開発の担当に抜てきされた。小川さんは、「本業を通じた社会貢献。そういった意義を兼ね備えた商品をリリースしていくのが我々の使命」と話す。