「ガッツポーズやりすぎだよ、演歌歌手みたい」中田璃士16歳が全日本フィギュアでみせた圧巻の演技「ノーミスしたら絶対に“大の字”をやりたいと…」
「僕、3位以内に入るよ」
キス&クライで得点を待っている間は、父の中田誠人コーチと中庭健介コーチから「ガッツポーズしすぎ」と茶化されながら得点を待つ。90.31点が表示された瞬間、「え? え?」と戸惑った。 「85点が出ればすごいと思っていたので、90点台なんて乗ると思っていなくて。頭が回りませんでした」 喜ぶよりも驚く、というほどのハイスコア。大躍進の2位発進となった。 翌日のフリーを迎える頃には、その驚きが自信へと変わっていた。会場に到着し、アリーナの玄関ドアをくぐりながら、中田は父にこう言った。 「僕、3位以内に入るよ」 すると、今の日本男子の強さをよく知る中田コーチは「無理だよ、6位に入ったらすごいよ」と返す。中田も負けずに「いや、絶対に3位に入るよ」と宣言した。
このチャンスを絶対に逃さない
フリーの滑走順は、最終滑走の鍵山優真の直前となる23番。他の男子の演技がすべて終わってからの順番である。 「自分の演技が始まるまでは、誰の演技も見ないで、点数も聞いていませんでした。自分に集中して『このチャンスを絶対に逃さないぞ』とだけ考えていました」 本番、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の曲に乗り、自身初となる4回転ループを軽やかに降りる。続いて完璧な4回転トウループを決めた。もはやトレードマークともいえるガッツポーズを、ジャンプを降りるたびに繰り返す。4回転ループにはGOE「+1.05」、4回転トウループにはGOE「+2.99」がついた。 「4回転ループは朝の練習でも降りていたので、自分を信じて跳びに行きました。自分の中では『超きれいに決まったな』と思ったんですけど、後でスコア見たら、そこまででもなかったです(笑)」 初成功しただけで満足せず、GOEの加点をもっと望むあたりが中田らしい。すべてのエレメンツを終え、立て膝のフィニッシュポーズを取ると、そのまま氷の上に大の字に倒れ込んだ。 「ノーミスをしたら絶対に(大の字を)やりたいと思っていました。今日はやりきったな、と思いました」 得点を待つ間は「ガッツポーズやりすぎたよ、演歌歌手みたいだよ」と中田コーチが苦笑いする。得点は、フリー173.68点、総合263.99点で、鍵山を残して「現時点で1位」。宇野昌磨、そして鍵山優真以来となる、ジュニア選手の全日本選手権メダルが確定した。 「こんなことが起こるとは、多分誰も想定してなかったと思います。日本で一番の大舞台で、この演技を出来たことが嬉しいです。この大会で4回転ループをただ1人降りて、僕の人生で初めて4回転2本を降りて、本当に嬉しかったです」
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