カウンセラーが痛感した「年齢に縛られず行動できる人」ほど幸福を手にする現実
歳を重ねるにつれ、始められない挑戦、諦めるべき物事がどんどん増えていく。果たして本当にそうでしょうか? 【図表】日本人は何に幸福を感じやすいのか 心理カウンセラーの根本裕幸さんは、年齢によって目を背けた何かを、いずれ後悔する日がくるのではないか。そう問いかけます。根本さんの著書『そのままのあなたが、絶対かわいい。 できない自分も好きになる30の「ほめ言葉」』では、自分を好きになるための考え方が示されています。 同書より、年齢を気にする必要がない理由と、どんなことがあっても自己肯定感を高められるようになる方法をご紹介します。 ※本稿は、根本裕幸著『そのままのあなたが、絶対かわいい。 できない自分も好きになる30の「ほめ言葉」』(PHP研究所)より内容を一部抜粋・編集したものです。
年齢は何かを諦める理由になる?
人目を気にして「相手にどう思われるかな? 変だと思われていないかな?」と心配になる方ほど、年齢を過剰に気にされていることが多いような気がします。 でも、「もういい歳だし......」を理由に諦めることで、しなくて済んでいることもあったりしませんか?別に興味がないことに対する言い訳ならいいんですけど、本当は興味があることまでも、年齢を理由に我慢していたら、いつか後悔する日がくるんじゃないでしょうか。 ここに向き合うのは少しイヤな気持ちになるかもしれませんが、年齢を理由に諦めたこと、しないでいること、目を背けていることは何だったのか、考えてみてください。 自分の好きな服を着ること。何か新しいものにチャレンジすること。以前からあるコンプレックスを克服すること。少し遠いところに旅行すること。「若い子」が好きなアーティストのライブに行くこと。 友人や同僚とオールする勢いで飲み歩くこと。カラオケボックスで大騒ぎすること。興味のある業界に転職すること。興味があるものを学び始めること。 いろんなジャンルに目を向けてみると、意外と出てくるかもしれません。このままだと、これら全部が後悔のタネになっちゃいますけどどうしましょう? 例えば、私の常連さんの中には30代や40代で看護師や美容師、保育士になられた方がいらっしゃいます。若い子たちに交じって何年も勉強をするのは恥ずかしい気持ちもあったけれど、実際に学校に入ってみたら、20歳前後の同級生からバカにされるどころか尊敬されるし、勉強は大変だったけど資格を取れたことで自信がついたし、チャレンジして本当によかったとおっしゃっていました。 また、40代、50代になって海外に移住する方も最近は増えてきました。「英語?向こうに行って頑張って勉強するわ!」と力強く宣言されて、私の知り合いも何人か移られています。ビジネスで成功して移住された方ばかりでなく、若い頃からの夢だったからと現地で仕事を見つけて移住した方もいます。 かつて私が参加したセミナーに、90代のおばあちゃんが受講生としていらっしゃいました。なんと彼女、70代で乗馬を始め、80代でバイクに乗り始め、その翌年にはスペイン旅行を決めたのだそうです。 この話を聞いたとき、年齢を理由に諦めることはできないな、と思ってしまいました。 「もう歳だし」と思って、オシャレを控えめにしていた奥さまをカウンセリングしたこともあります。夫が浮気をし、離婚を宣言されたそうです。聞けば、かつてはギャルで超ミニスカートに胸元がばっちり空いた服を好んで着ていたそうですが、結婚もしたし、30代だし、ということでそういう服はやめにしたのです。 そして、びっくりしたのが夫の浮気相手。なんと超ミニスカートに胸元がばっちり空いたギャルだった のです。めちゃくちゃショックを受けたと同時に悔しくなって、数年ぶりにギャルファッションに戻しました。「やっぱりこっちのほうがあたしらしいわ」と実感したそうです。 そして、1か月前とは打って変わった姿で登場した彼女にまた私はびっくりさせられたのですが、どうやら夫との関係も改善に向かっているそう。もちろん、ファッションだけが浮気の原因ではないのですけれど、年齢を気にして我慢したことが災いをもたらすこともあるようです。 アラフォーの常連さんがあるとき、「信じられないことが起きた」とカウンセリングに来られました。なんと20代半ばの男性から熱烈に口説かれているとのこと。「彼のお母さんのほうが私と年齢が近いんですよ!そんなの無理に決まってます!」と彼女は彼の好意を頑なにスルーしていました。 「彼は年齢は関係ないって言うんですけど、それは彼が若くてまだ世間をよく知らないからだと思うのです。こんな年の離れた妻を持つなんて、みんなから笑われるに決まってます」 しかし、そんな頑なだった彼女に、"若くて世間知らず"なはずの彼はまっすぐ紳士的に向き合っていきました。何度も話し合う中で愛情を伝えられ、彼女が心配していることをすべて解消してくれようとしている彼の姿に、彼女の心がぐらつきはじめたのです。 「ずっと世間知らずの若者だと思っていたけど、子どもだったのは私のほうだったみたいです。彼は私よりずっと大人でした」 年齢はただの数字の羅列です。確かにお酒やたばこを嗜むには法律で年齢制限が定められていますし、それなりの年齢になれば運転免許の返納が話題にのぼります。 しかし、それ以外のことはほとんど「自分が勝手に定めた年齢制限」なのではないでしょうか?そんな制限に縛られて不自由になってしまうのは、あまりにもったいないと思うのです。 まずは何かひとつ、年齢制限を外してみませんか?「なーんだ、もっと早くやっておけばよかった」と思えるはずです。