放置竹林が土砂災害のリスクに…秘策は「メンマ」?ラーメンで挑む竹害解消
今回のテーマは、「やっかいものを活かせ!」。 今、利用価値を失って放置された竹林が、土砂災害のリスクを増加させ、獣害の温床となるなど、“竹害”と呼ばれる現象を引き起こしている。そんな竹をどう活かし、問題解決につなげるのか。“やっかいもの”をSDGsの主役に生まれ変わらせようと動く人々に密着した。 【動画】放置竹林が土砂災害のリスクに…秘策は「メンマ」?ラーメンで挑む竹害解消
中国産から純国産化を目指す「メンマプロジェクト」
4月。千葉・大多喜町では、観光バスで乗りつけた多くの人がタケノコ料理の専門店で舌鼓を打っていた。タケノコの旬の季節は3~5月頃までで、店は連日大盛況。一番人気は「たけのこ御膳」で、客は「おいしい」「本当に柔らかい」と喜ぶ。 大多喜町は首都圏有数のタケノコの産地で、店で出されるタケノコは、その日の朝に収穫したもの。 日本人の暮らしに恵みをもたらす竹は全国に分布するなじみ深い植物だが、多くの問題を抱えていた。
森林が7割を占める福島・会津美里町に住む高橋和子さん、幸太郎さん親子は、「竹やぶはいくらでも上までいっちゃう。それでもう手に負えなくなる」と話す。 竹は手入れを怠ると、すぐに森林の中まではびこり、山を荒らす。すると、タケノコを求めてやってくるイノシシやシカ、クマなどによる獣害が発生するのだ。 さらに竹は根を浅く張るため、近年多発する豪雨では、土砂災害のリスクが高まることも指摘されている。 全国的な問題となっている荒れ果てた竹林…その解決に向けて奮闘する人々がいた。
京都・嵐山にある「竹林の小径」は、美しく整備された竹が観光客の目を楽しませてくれるが、観光ルートから少し離れると、放置竹林が目に飛び込んでくる。 タケノコの成長力は目覚ましく、1日で1メートル以上伸びることもあり、放っておくとすぐに密集してしまう厄介者。
「荒れてるね。密集してきたら、もっと大変なことになる」と話すのは、京都で生まれ育った久保田雅彦さん(51)だ。
鶏豚骨スープの塩ラーメン「塩のキラメキ」に添えられた京都産メンマ。客も「シャキシャキして食べ応えがある」と絶賛する。