【MEGUMIさん×医師・道下将太郎先生〈対談〉】「女性はホルモンの奴隷!?」更年期症状に個人差が大きい理由とは|STORY
女優・タレントとして、多くの女性から支持を集める42歳のMEGUMIさん。映画やテレビでの活躍はもちろん、美容と健康を大切にするそのライフスタイルは、STORY読者にも多い「ゆらぎ世代」の代表的存在として注目されています。今回は前々から興味を持っていた、あらゆる最新のエビデンスをもとに予防医療を提唱する医師・道下将太郎先生との対談が実現。日々の食生活で感じる悩みや、年齢と共に変わる体への向き合い方について、道下先生に率直に質問しながら、MEGUMIさんが実践している心と体の整え方に迫ります。今回のテーマは多くのゆらぎ世代女性が悩む「更年期症状」です。 【写真あり】MEGUMIさんとイケメン医師との予防医学対談の全貌
そもそも更年期障害はなぜ起きる? 症状の強さは、人によってなぜ違う?
MEGUMIさん(以下敬称略) 40代になると、いろいろな悪影響が出てきますよね。メンタルの揺らぎもそうだし、食事や冷え、体調の変動が目立つようになって。結果的に、全体として悪い方向に進みやすい気がします。40代はゆらぎというか、「ダメージが出やすい元年」みたいな感覚ですね。 第1回では、食事がもたらす体への影響について聞いてきたのですが、それ以外で、例えば、すごく大きな精神的ストレスにさらされたとき、一旦回復したかのように見えても、その後で身体が二次災害のように調子が悪くなることって、本当に起きているんですか? 道下先生(以下敬称略) まず「ゆらぎ」という言葉で表現される現象は、主にホルモンの変動が原因です。更年期障害がその代表ですが、これはエストロゲン(女性ホルモン)が不安定になることで起こります。体がその変化に適応できないため、精神的にも肉体的にもダメージが現れます。折角なので更年期障害は何で起きるかについて簡単にお話しますね。 通常、身体はホルモンに支配されることが多く、よく女性はホルモンの奴隷だとかよく例えられますよね。 MEGUMI 本当にそう! 道下 女性の卵巣あたりから女性ホルモンがでます。ホルモンは脳の視床下部が指令を出して調整していますが、閉経が近づくとホルモンの生産が減ります。視床下部は「ホルモンを出せ!」と命令し続けますが、体がそれに応えられず、結果として自律神経が乱れます。これが原因で、ホットフラッシュ(ほてり)や多汗、精神的な不安定さが出てくるんです。このゆらぎは、1~2年続くことが多いです。ホルモンバランスを直接変えるのは難しいので、精神的な不安定さを解消するためには、それ以外の方法でストレスを軽減することを考えたほうがいいです。 MEGUMI 更年期は必ず訪れるものの、症状が強い人と軽い人がいますよね?あれはどうしてですか? 道下 それも論文やデータを調べきったのですが、ホットフラッシュなどわかりやすく出る症状に関しては、喫煙歴がある人や体重が多い人、もともとストレス負荷が高い人は、その症状が長く続く傾向にあります。 MEGUMI 運動している人はあまり(更年期に)ならないと聞くのですが、、 道下 運動している人は症状が軽くなることがわかっています。たとえば、健康的に過ごしている犬と、太って運動不足の犬を比べたら、どちらが元気かは一目瞭然ですよね。人間も同じなのです。ホルモンの変動が、その人のそもそもの健康状態に重なってしまうだけなので、生活習慣の違いが大きく影響します。それもよく食べてよく動いてよく寝るというところにリンクするかなという感じです。 MEGUMI なるほどね~。精神面に影響が大きく出てしまう人もいるじゃないですか? あれはやっぱり炎症が起きていることが多く、それが敏感さや不快感を引き起こしているのですか? 道下 まさにそうです。更年期になって自律神経系が不安定になる人というのは、その以前からすでにコップの水がタプタプなので、そこにちょっと更年期の影響が加わっただけでもぶわっと溢れ出てしまう感じですね。じゃあ元々の自律神経のところをどうやって改善できるのだろうと思い調べたら、そういう人達こそ、1日1食しか食べていなかったり、運動習慣がなかったり、1日3,4時間しか寝ていなかったり、携帯ばかり見ていたり、、更年期じゃなくても調子悪くない?というデータでした。 たまたま更年期でフォーカスがあたって、一気に症状が出てしまった人が多いですね。 MEGUMI なるほどね~。その人の生き方の蓄積なんですね、更年期は。 道下 ですから、いつか更年期がくるな~とネガティブにならずに、日々の生活習慣をポジティブに捉えて、健康的な習慣を続けることが大切です。