【MEGUMIさん×医師・道下将太郎先生〈対談〉】「女性はホルモンの奴隷!?」更年期症状に個人差が大きい理由とは|STORY
ゆらぎ世代の女性に最適な運動習慣とは?
MEGUMI 健康的な習慣の中で、運動はもちろんいいことだと思うのですが、私は、朝起きた瞬間にYouTubeをつけてストレッチをして、その後できる日はウォーキングもするようにしています。これを朝一番にすることで、1日が良い流れになるのですが、先生どう思いますか? 道下 MEGUMIさん、さすがですね。朝の運動には2つのメリットがあります。 まず1つ目は、朝は自分の時間を確保しやすいので、継続しやすいという点です。朝の運動は、継続して習慣化ために最適なタイミングです。運動を継続することで、体が「朝だ」と認識するようになります。これにより2つ目のメリットとして、睡眠の質が大幅に向上します。特に、朝7時から9時の間に太陽を浴びながら運動をすると、健康効果がさらに高くなります。 現代では、朝でもカーテンを閉めていたり、夜寝る前ギリギリまで携帯電話を触ったりすることで、体が朝や夜をうまく認識できなくなっている人が多いのですが、実は太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、その14時間後に自律神経系のメラトニンやセロトニンといった「眠たくなるホルモン」が出るんです。つまり、朝8時に太陽を浴びると、夜10時頃に自然に眠くなるわけです。よく体の不調を訴える方々と話していて思う事は、この体内時計と実際の時計とで、時差が生じてしまっている人が多いんです。携帯電話の光の明るさは、昼の11時と同じくらいの強さなので、夜に携帯電話を見ていると体は昼間だと勘違いしてしまい、寝付けなくなってしまったり、朝起きても体が朝だと思っていない状態になります。だからこそ、朝の運動は体内時計を整えて睡眠の質を向上するのにとても効果的です。 MEGUMI そうなのですね~。では逆に、夜に運動することはあまり体にはよくないですか? 道下 アドレナリンが出たり、心拍数が上がるような運動は、睡眠を妨げる可能性があるため、夜の運動ならストレッチやヨガのような軽いものが良いでしょう。 MEGUMI 昼夜をあまり問わず、40代以上の女性にとっては、負荷の高すぎる運動はちょっと違うのかなと思うのですがどうですか? 道下 まず、健康について運動の定義としては、WHOでも定められているように、1週間に90分の中程度の有酸素運動が推奨されています。具体的には、30分を週3回行うことが理想的です。中程度の有酸素運動とは、心拍数が130以上になる運動のこと。階段を登るくらいの運動がそれに当たります。この程度で十分効果があるんです。 では、それ以上にやったらどうなの?というところですが、週150分までは効果があります。30分だったら週5回。もっと運動をすれば効果は高まりますが、週150分以上やってもプラトー(効果の頭打ち)に達するので、それ以上の運動はあまり変わらないというデータもあります。 MEGUMI 例えば、トライアスロンなどはストイックで素晴らしいのですが、健康を目的とした運動としてはtoo muchなんですよね? 道下 はい。too muchです。心拍数が180程度かそれ以上にドキドキしている状態が30分以上継続すると、逆に体に負担をかけてしまうこともあるので注意が必要です。 特にフルマラソン選手などは、過度な運動によって腸内環境が悪化するケースが多く、善玉菌の数が減ってしまうことがわかっています。腸内環境と運動のバランスを保つことも重要です。 MEGUMI 運動で腸内環境が悪化してしまうこともあるんですね。でも40代のみなさんも週に3回30分くらいだったら、続けられそうって思えますね。 道下 できると思います。朝の運動を習慣化するためには、スケジュールに組み込むことが大事です。もしできなかったとしても、その日は1週間のうちにリスケジュールすることで回数を維持することができます。