【MEGUMIさん×医師・道下将太郎先生〈対談〉】「女性はホルモンの奴隷!?」更年期症状に個人差が大きい理由とは|STORY
更年期の精神的症状も認知症も、効果的な予防法は意外な方法?!
MEGUMI 体だけでなく、脳を老けさせないためにはどうすればいいですか? 道下 脳は、いろんな影響によって劣化が進んでいくのですが、わかりやすくイメージしてもらいたいのは、脳は血がずっとめぐっている場所だということです。脳の中は血管がモズクみたいにすごい数が絡み合っています。そしてこの一本一本が細い水道のホースみたいになっています。よく血の巡りが悪いとかって話になるのは本当にそうで、サーモグラフィでみると血の巡りが悪いところがみえてしまいます。例えば認知症とかは血流が悪くなります。ではどうやって血の巡りをあげていくかというと、脳にあるモズクみたいな血管に、血液を送るポンプは心臓です。心臓のサイズは大きくできないので、血液を送る回数を増やさないといけません。それが心拍数をあげること=中程度の有酸素運動です。適切な運動で脳内の血流を良くすることで、認知症のリスクを減らすことができます。脳内の血管に溜まったタンパク質を取り除くためには、30分程度の有酸素運動が理想的なんです。 MEGUMI なるほど。体にも脳にも、健康でいるには運動に尽きるって感じですね~。 道下 どれだけ適切な運動習慣があっても、食事の内容が良くなくて血液がドロドロだと細い血管に届かないため、食事と運動の両方を意識する必要がありますね。 MEGUMI 少し話は変わりますが、先日出会った高齢の方がとても元気で、その方を見て感じたのは知的好奇心を持つことが大切なのかなということ。でも年を取ると欲がなくなる人が多くないですか? 感情が薄くなるというか。それは女性としての魅力が減っていってしまうことに繋がってくるんだと思うんです。運動習慣はもちろん大前提として、この知的好奇心が私たちの脳に与える影響とかはあるのですか? 道下 はい。それは非常にあります。認知症をわかりやすく言うと、まさに脳が停止している感じなんですね。これはどうして起きるかというと、理由の大きな一つは脳への刺激がないことです。では刺激がなくなる理由のランキング1位は何かというと“社会からの途絶”が一番の理由です。コミュニティや人と話すという事が非常に大切です。実は、コロナのステイホームで人と話すことが減った際に、認知症の人がすごく増えたんです。海外の認知症プログラムでも、人と話すとかデイサービスを受けるとかが組み込まれていたり、とても大事なんです。 MEGUMI 社会とのつながりや人とコミュニケーションすることは非常に大切なんですね。 道下 40代の女性は子どもが少し手を離れて、もう安心!ってなってくると自分1人の時間が増えてきますよね。それが社会との途絶に繋がってきて、それこそ更年期の精神的なマイナスに繋がります。だから社会的な接触は非常に大事です。女性は中年の初期の時に記憶力が落ちてくることがよくあります。 MEGUMI わかります。わかりますよ(笑)。 道下 (笑)。記憶力を維持するためには、3つのことが大事と言われています。 1つ目は努力した身体活動、これは運動ですね、体を動かすとか。2つ目は認知思考の努力。覚えようとか、思い出してみるとか、書いてみるとか。忘れてしまうということを諦めないことです。3つ目は、今お話ししていた社会的接触。この3つです。 MEGUMI おもしろい~!!!何かを覚えて、それをやろうという気持ちは絶対薄まりますものね。私はお芝居をしていて、覚えなければいけない環境なので、それは良いなと。覚えるのは苦しいですけど、すごく良いんだなと思いますね。 道下 何かを覚えようとすると脳が刺激されて、ふだん通りやすいところとは全然違う血液の流れの通り道が刺激されて活性化されるので、その効果があるんだなと思いました。 MEGUMI なるほど。勉強になりました! ■MEGUMIさんProfile 1981年生まれ。岡山県出身の俳優・タレント。2001年に芸能界デビューし、映画、ドラマ、バラエティ番組などで多岐にわたり活躍。2020年には映画『台風家族』や『ひとよ』での演技が評価され、第62回ブルーリボン賞・助演女優賞を受賞。また、金沢でカフェ「たもん」の経営にも携わり、映像作品のプロデュースやボランティア活動にも力を注いでいます。 美容と健康にも強い関心を持ち、昨年出版された著書『キレイはこれでつくれます』は、35万部を超えるベストセラーとなり、単行本実用部門の年間ベストセラー1位を獲得。「ゆらぎ世代」を代表する存在として、美容や健康法を自ら実践し、そのライフスタイルが広く注目されています。 ■道下将太郎先生Profile 脳神経外科医 / AFRODE CLINIC(アフロ―ドクリニック)代表。2015年、東京慈恵会医科大学を卒業し、同大学病院で勤務。2020年、株式会社Re.habilitationを創業。2022年にはAFRODE CLINICを監修。AFRODEは「死から生を見つめる」という人生観を表現し、本人が納得して死を迎えるための機会創出を目指す。クリニックでは、経営者や著名人など日常生活で高負荷を抱える人々に、薬に頼らない効率的な回復・予防医療を提供しています。また、科学的根拠に基づいて安全・安心の製品を提供するブランド、SECRET RECIPE(シークレットレシピ)をプロデュースし、添加物不使用の食品やサプリメントなどを開発しています。 MEGUMIさん衣装:ワンピース¥36,300(ル フィル/ル フィル ニュウマン 新宿店)リング¥41,800、ピアス¥44,000(共にリューク) 撮影/浜村 菜月 ヘア・メーク/KIKKU スタイリスト/宮澤 敬子 取材・文/日野 珠希