斎藤元彦兵庫県知事とPR会社の関係、どこが問題?疑惑の焦点、公職選挙法の「特定寄附」とは
■ 「買収」か「特定寄附」か、斎藤氏側の言い分は 兵庫県知事選の公選法違反疑惑は、兵庫県西宮市のPR会社merchuの折田楓社長によって発信されたnoteの記事が発端でした。そのなかで折田氏は、知事選で斎藤氏に任されて広報活動全般を担当したと主張。選挙期間中は四六時中、SNSの管理や発信を行い、街頭演説の中継なども行ったなどと選挙戦の裏側を詳細に明かしたのです。 これが事実であれば、公選法の買収罪(運動買収)になる可能性があります。 これに対し、斎藤氏側は選挙ポスターのデザインなどをmerchuに発注しただけであり、SNS運用などを発注した事実はないとし、noteの内容を全面的に否定しました。選挙期間中、折田社長によるさまざまな発信などは、すべて無償のボランティアだったと主張しています。 折田氏は兵庫県のさまざまな審議会委員を務めているほか、merchuも過去に兵庫県と取引があったとされることなどから、「折田氏の選挙期間中の活動が無償だったとしても、公選法が禁じる特定寄附に該当するのではないか」との指摘が出ています。 公選法における寄附とは金銭によるものだけでなく、労役の提供なども含むものとされています。そのため折田氏による情報発信は、報酬を受け取っていたら買収、金銭を受け取らない無償ボランティアであっても特定寄附の禁止に違反するという解釈です。 特定寄附ついては、斎藤氏の代理人である奥見司弁護士が11月27日の記者会見で次のように述べ、違反には当たらないとの認識を示しています。 「公選法199条は、地方公共団体と請負、その他特別の利益を伴う契約の当事者が寄附を行うことを禁止している。PR会社(merchu)と兵庫県の間には現在、請負契約その他特別の利益を伴う契約はない。(折田)社長は現在も兵庫県の委員を務めているが、県と委員の関係は委任契約であり、請負契約ではない」 「公職選挙法第199条における『特別の利益』とは、契約の規模が大きい、利益率が高い契約。(折田)社長と県との間で結ばれている(現行の)委任契約が特別の利益を伴う契約と評価することはできない」