「学校に行っていない僕は大人になれないんだ」長男の言葉に絶句。親子の《とまり木》を作ると決心した7児の母
小・中学校における児童生徒数が約30万人※に上る今、お子さまの不登校や行きしぶりに悩む保護者のかたも増えています。 「NPO法人多様な学びプロジェクト」代表の生駒知里さんも、お子さまの不登校に悩み続けた一人。 生駒さんはお子さまに寄り添う生活の中で、ある思いに至り、同NPO法人を設立しました。 現在は学校以外で学ぶ子どもや家族を支える活動に従事する生駒さんに、これまでのライフストーリーや現在の思いを伺いました。 ※文部科学省(2023)「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
長男が小学1年生で不登校に
生駒さんの長男が「学校ってやめられないのかな」と初めて口にしたのは、小学1年生の夏休み明けだったそうです。 「当時の私は、そもそも学校に通うのは当たり前だと考えていたので、やめるやめないと考えるところではないでしょうと、その言葉を軽く受け流していました。でも長男は、数週間後に『半年通ってみて学校はどんなところかわかった。自分には合わないからやめる』と改めて宣言してきたのです。私と夫にとって、まさに青天の霹靂(へきれき)でした」 学校の先生に相談したところ、「学校では楽しく過ごしていますよ」と言われたので、なんとか説得して学校に連れ出したことも。しかし、ある出来事をきっかけに登校するよう説得するのをやめたそうです。 「学校から帰宅した長男が、包丁をキッチンから持ってきて『僕を刺して』と言うのです。7歳の子どもにそんな言葉を言わせてしまったのがショックでした。命より大切なものはないので、ここまで追いつめられている子どもに登校を強要することはできませんでした」 生駒さんの長男はなぜ、「学校は自分には合わない」と感じたのでしょうか。 「長男が言うには、学ぶ内容を自分で決められないことや、さらに深掘りして学びたいときに授業が細切れで別の勉強をしなければならないことがつらかったようです。私から先生に相談もしてみたのですが、一人の児童の希望に合わせて授業内容をガラッと変えるのは難しい。かと言って、長男も自分の興味がはっきりしていて、折り合いをつけるのが難しいようでした。そこで、不安はもちろん大きかったですし、ほとんどの知人には反対されましたが、『ママが先生になるから、おうち学校でやっていこう』と伝えました」