寒ブリ豊漁、シロエビ不漁「海底地すべりで数を減らしたか」専門家の分析 富山湾の異変
■富山湾で起きた ”異変” 地震から5か月、去年6月に魚津港沖で不漁が続くベニズワイガニの生息調査が行われました。 カメラが水深900メートルの海底へ40分間かけてゆっくりと沈んでいきます 深海900メートルの富山湾の海底を進むと、ベニズワイガニやゲンゲがカメラに写っていましたが、15分あまり進むと現れたのは、崖のような段差です。海底地すべりが起きたと見られます。 今回の富山県水産研究所による調査で、海底地すべりとみられる痕跡は少なくとも4か所見つかったということです。 ■シロエビの漁場で… 富山湾の複数か所で発生したとされる海底地すべり。 12月、海上保安庁の調査で海底地すべりが起きた新たな場所が見つかりました。 庄川と小矢部川の河口沖で、南北に3キロ、東西に500メートルに渡って地すべりが発生。地震前よりも最大10メートルほど深くなっていることがわかりました。 新たに見つかった場所はシロエビ漁の漁場となっていて、新湊漁港に水揚げされるシロエビのほとんどはこの場所でとられています。 大きな河川の河口部の沖合いで、深く切れ込んだ海域を好むシロエビ。今回の地震で地すべりが発生し、その海域からシロエビがいなくなったとみられます。 シロエビについて調べている県水産研究所の研究員は―― 富山県水産研究所 三箇真弘さん 「海底地すべりによって舞い上がった土砂を避けて沖に分散したり、舞い上がった土砂を微生物などが分解して海の中が貧酸素な状態になったことによって、シロエビがそういった環境を避けた可能性が考えられると思います」 記者 「シロエビが土砂に埋もれた可能性は?」 富山県水産研究所 三箇真弘さん 「シロエビは海の中を泳ぐようなエビで、甘エビと違ってずっと海底にいるわけではないので、海の中を漂うようなエビなので埋まった可能性は低い」 神通川の河口沖にあるシロエビの漁場でも海底地すべりが確認されました。 前年比65%減というシロエビの記録的な不漁。
【関連記事】
- 「1歳の息子が車に閉じ込められた」炎天下の駐車場でとっさの判断 救助の男性が迷わずとった行動とは 富山・南砺市
- 「やりたいことを堂々と」顔面動静脈奇形・河除さん 劇団員としてマスクなしで初舞台「ハイスペックイケメンにしか見えなかった…」富山
- なぜ母親は13歳の娘に不倫相手との性行為を見せたのか「変な親心で…」児童福祉法違反などの罪に問われた母親が裁判で語ったこと 子供の性被害がなくならない
- 「いい加減止めないと大変なことになる」梅毒が10年で女性は23倍に…骨や臓器に“ゴムのような腫瘍”放置すれば死に至る場合も 富山県でも急増“偽装の達人”体内でゆっくりと進行
- 「生まれてきてよかった」難病・顔面動静脈奇形の河除静香さん 見た目の悩みを乗り越え“この顔だからこそできること”