ダンプや作業車、進んでは停車 輪島事故・本社記者ルポ
事故発生の一報を受けて、穴水支局を出たのが午前9時15分ごろ。約15キロ離れた事故現場まで、普段であれば20分余りだが、到着したのは1時間半後。4倍以上の時間がかかった。 【写真】計11台が絡む事故が発生した現場 現場までは、しばらく進んでは5分ほど停車することの繰り返し。前後には、砂利を積んだダンプカーや電線工事に使われる高所作業車など、復旧工事関係の車両も多く見られ、同じく渋滞に巻き込まれた輪島市の小川正教育長は「仕事始めの日で普段より交通量が多かった」と振り返っていた。 現場の県道は能登半島地震発生後、支援物資の輸送や応急復旧などで金沢方面から多くの車両が押し寄せた幹線道路。当時も大渋滞が起き、被災地へのアクセスを妨げる道路の問題が復旧・復興の足かせとなっていると指摘されてきた。一つの事故で機能不全に陥りやすい奥能登の交通網の脆(ぜい)弱(じゃく)さを突きつけられた気がした。(穴水支局長・古府拓也)