昨季王者ブレイブルーパスでリーチマイケルが主将続投 代表活動はどうする?
全体トレーニングが終わる頃、ひとりの名物戦士がグラウンドに出てきた。 リーチ マイケルだ。 日本代表としてワールドカップに4度出場した戦士は今年も代表に選ばれ、6、7月のキャンペーンでは主将を担っていた。 その後は痛めていた左肩の治療に専念。8月下旬以降のパシフィックネーションズカップへは不参加となっていた。 この午後は日本代表のジョン・プライヤーハイパフォーマンスコーディネーターから託されたスピード強化のメニューに取り組み、復調を目指していた。 いつ競技に復帰できるのかと聞かれれば、「全然、いつでもできます。明日でも」と即答した。 10月以降の代表活動へ参加するかについては「まだわからない」と述べながら、ニュージーランド代表戦への出場意欲は「120パーセント」。選手選考はエディー・ジョーンズヘッドコーチの専権事項とあり、明言は避けたような。 明らかになったことは重役の続投。前年度に続き、リーチ、原田がブレイブルーパスの主将と副将を務める。 8月上旬にチームに戻っていたリーチへ「来季、どうする?」と打診したブラックアダーは、リーチがポジティブに返事をしてくれたのだと喜ぶ。 「こちらから頼む前に、向こうからやらせてくれと言ってくれました。彼は周りに人が集まる(ところが魅力)」
本人はあくまで「(前年度からの)引き続き」。自然体だ。 「(全体への訓示は)日本代表に選ばれたらその(秋の活動の)後。選ばれなかったら(まもなく)」 頂点に立ったシーズンにも、故障で抜けて戻るまでの間にもっとチーム活動へ携わるべきだったのではと反省している。改善したい。 「もっと、チームを見るところを進化させたい。コーチ陣とのコミュニケーションも長く持つ。特に、試合に出ていない時にどれだけコミットできるか。(前年度は)チームから離れた時、(副将の)衛に任せっぱなしだったから。(これからは戦線離脱中も)早くリハビリを終わらせて、できるだけ(味方が練習をしている)グラウンドへ立ちたいです」 一昨季にクラブ史上初の王者となったクボタスピアーズ船橋・東京ベイは、前年度序盤に黒星を重ねた。最後は、それまで3シーズン続けていた4強入りを逃した。この背景を踏まえ、リーチは「今年は違う難しさがある。しっかりやりたいです」と気を引き締める。 前向きでもある。 「驚いたのは、(オフ明けの)選手がいいコンディションで帰ってきたこと。外国人選手も、日本人選手も、身体がでかくなっていた」 ライバルチームのSNSはよくチェックする。特に本拠地の近い東京サントリーサンゴリアスが、早くから身体をぶつけ合っているのには刺激を受ける。 サンゴリアスでは、コーチだった小野晃征が指揮官に昇格した。リーチは小野の1学年下で、「家が近くて、よく行く焼肉屋も一緒」。かつてはともに日本代表として戦っている。 「晃征すごくいい選手だったし、ヘッドコーチとしていいチームを作り上げると思う」 通称「府中ダービー」がより楽しみになった。 (文:向 風見也)