【高校サッカー】札幌大谷「9分9厘、負け」14人目までもつれるPK戦制し9大会ぶり初戦突破
<全国高校サッカー選手権:札幌大谷1(12PK11)1藤井学園寒川>◇29日◇1回戦◇柏の葉 4大会ぶり4度目出場の北海道代表・札幌大谷が初出場の藤井学園寒川(香川)をPK戦で下し、9大会ぶりに初戦を突破した。後半13分にFW真浦劉(3年)がヘディングで先制したが、後半追加タイム1分に1-1の同点に追いつかれてPK戦に突入。14人目までもつれる激闘を制した。31日の2回戦では優勝候補の大津(熊本)と対戦し、初の3回戦進出を狙う。 ◇ ◇ ◇ 勝利の女神がほほ笑んだのは、札幌大谷だった。PK戦では11人全員が蹴っても勝敗が決まらず。2巡目に入った14人目。後攻の相手のキックが左ポストに当たって外れて、2回戦進出の切符が舞い込んだ。就任3年目の清水隆行監督(49)は、指揮官として初めて臨み「9分9厘、負けのゲームというところでこういうことが起こるのが選手権なんだなと感じた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。 公式戦でのPK戦負けなしの守護神、GK高路地琉葦(3年)が相手に圧力をかけた。昨年から試合に出場し、総体と選手権の北海道大会での2戦と今年の総体1回戦の富山第一戦と、3戦でPK戦を経験。すべて5人で勝利を決めていたが、自身も7人目として初めてキッカーとしての出番が回る激闘になった。普段はキッカーの目をじっと見つめ静止するが、この日は左右に動いて揺さぶった。 ただ「独特な雰囲気を感じて、いつも通りの自分が出せなかった」と、コースを読んで止めきれなかったことを悔やんだ。先攻で仲間が2度失敗しても、勝利目前のプレッシャーにのまれてか、相手も外して救われる運も味方した。 前回出場時も香川勢(大手前高松)と対戦し敗れていただけに、リベンジを果たした。来季J2昇格の今治加入が内定しているMF笹修大主将(3年)は「自分としては今日はふがいないプレーで終わってしまった。仲間に助けられた。札幌大谷の歴史を変えるって意味でも次の試合は大事」と、大津との2回戦を見据える。相手は今年のU-18高円宮杯プレミアリーグ・ファイナルを制した高校生世代の王者。全力でぶつかる。【保坂果那】