「目の怪我」の応急処置はご存じですか? 眼科医が病院の救急受診目安も解説
ぶつけた・物が当たった・指が入ったなど目を怪我したとき眼科を受診すべき目安とは? 外傷別の検査や考えられる治療・手術が知りたい
編集部: 「眼科を受診するかどうかの目安」というのはありますか? 中村先生: 基本的にはご自身で判断せず、一度は専門医を受診していただきたいのですが、強いて言うのであれば、出血や痛み、複視(ものが二重に見えること)などの症状がある場合は、速やかに受診していただきたいです。 目の内側を切った場合は「涙小管断裂(るいしょうかんだんれつ)」の可能性もありますので、症状の有無にかかわらずすぐに受診してください。涙小管断裂を発症すると、たまった涙を鼻腔に排出することができなくなります。 発症後12時間以内であれば、断裂した涙小管を縫合することができるのですが、受診が遅れると、一生、目に涙が溜まったような状態となってしまいます。 編集部: 目の怪我で、手術になってしまうこともありますか? 中村先生: そうですね。目の内部の怪我の場合は、なんらかの手術的処置が必要となる場合が多いと思います。 まぶたを切ってしまったなどの場合、場所によっては自然に復位する(くっつく)のを待つこともありますが、傷が大きい、傷がずれて復位しそう、瞬きなどでよく動く場所を切ったといったことであれば、手術で縫合します。 編集部: 最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。 中村先生: ご自身やご家族、周りの人が目を怪我したとき、その場でできる応急処置があればしっかり行なっていただきたいですが、その後、医療機関を受診する場合も、目の怪我を専門的に見ているところを受診していただきたいです。 眼科医院のなかでも、目の怪我の治療を専門的に扱っているクリニックは多くはないので、実際に怪我をしてしまってから焦って探すことのないように、普段から、目の外傷に対応してくれる病院をインターネットなどで探しておくことをお勧めします。 とくに、格闘技やサッカーなど、コンタクトスポーツをやっている方や小さなお子さまがいらっしゃる方などは、目を怪我した場合にどの病院に行くか、周りの方とも情報を共有しておくと良いでしょう。