参加企業増えるグリーンフライデーとは ブラックフライデーに合わせ
日本でも一大商業イベントとなっている11月末のセール「ブラックフライデー」に合わせて、「グリーンフライデー」というイベントを開催する企業が近年、増えている。欧州発というこのイベントは、どのようなものなのか。 ブラックフライデーは米国の感謝祭(11月第4木曜日)翌日の金曜日を指し、クリスマス商戦入りを告げるセールだ。米国の小売業界ではこの時期の売り上げが年間を通して最も高く「黒字」になることからついた名前とされる。日本でも、2016年ごろからセールを展開する企業が増え、今年はインターネット通販大手アマゾンジャパンが29日から、楽天も21日から開催する。 一方で、同じ日のグリーンフライデーは、欧州発のイベントだ。ブラックフライデーが、モノを大量消費するセールであることに対し、不要な衣類の交換会やモノの修理会を開催し、地球に優しい持続可能な消費を啓蒙(けいもう)するイベントといわれる。日本でも近年、環境を意識した消費への関心の高まりから参画する企業が増えている。 フリマアプリを運営するメルカリは11月22~24日、東京・原宿で「グリーンフライデープロジェクト」を開く。20年から始めた中古衣類を使った「新作ゼロのファッションショー」のほか、一般客が参加できるイベントを用意。衣類の物々交換や、衣類に自身で描いた刺しゅうを入れるアップサイクル体験、穴開きやほつれを修理するリペアブースを開催する。 今年は過去最多の11社のパートナー企業と開催。同社は「国内の衣類の供給が増加する一方、1枚あたりの価格は年々安くなり、大量生産・大量消費が拡大している」と問題点を指摘している。宅配クリーニング「リネット」も22、23日、都内でフリーマーケットを開く。 環境省によると、国内で年間に捨てられている衣類の重量は48・5万トンで、9割以上が家庭からだ。政府は家庭から廃棄される衣類を30年度までに20年度比25%削減という目標を掲げるなど、官民連携した中古・修理のルール作りを進めている。【古屋敷尚子】