サッカー森保一監督、W杯制覇へ改めて決意 「最高、最強のチームを目指す」
サッカー日本代表の森保一監督(56)が報道各社の合同取材に応じ、2026年ワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会で頂点に挑む決意を改めて示した。W杯出場権獲得を目前とするアジア最終予選の手応えを口にするとともに、来年に迫るW杯本番に向けた強化プランの青写真も提示。「W杯に向けて最終的に最高、最強のチームを目指したい」と闘志を燃やした。 24年は悔しさをバネに飛躍した。優勝候補筆頭で臨んだ1~2月のアジア・カップは準々決勝敗退に終わり、「タイトルを取りたいという選手とサポーターの気持ちを考えると反省している」と声を落とす。しかし、9月開幕のW杯アジア最終予選は5勝1分けで首位を独走。今年3月の次戦にもW杯出場権を得る状況に、「痛みもポジティブな経験にして最終予選につなげられた」と振り返る。 最終予選6試合で総得点22、総失点2と非の打ちどころはない。前回カタールW杯アジア最終予選は全10試合で7勝1分け2敗、総得点12、総失点4。「間違いなく力をつけている。相手はアジアといわれても、過去と結果が違う。日本サッカーが歴史と力を積み上げてきたことが、現在の結果に表れている」と胸を張った。 24年の日本代表を象徴する漢字に挙げたのは、「進」と「増」だ。「前進と増幅。W杯で勝つために常にパワーアップしていて、選手層を増しながら戦術的にも幅を広げている。アジア・カップでタイトルを取れなかった悔しさもあったが、世界トップの基準を目指して前進できている」という思いを込めた。 コーチとして18年ロシアW杯、監督として22年カタールW杯を戦って痛感させられたことがある。「W杯で勝つために競技力の向上は絶対に必要だが、競技力だけでも勝てない。国の関心事として日本全国、世界各地にいる日本人のパワーを集結させなければ勝てない。競技力と国民の共感や共鳴を融合させないといけない」と共闘を呼び掛ける。 25年はW杯の成否を左右する1年となる。6月にアジア最終予選を終えた後に望むのは、強豪との敵地での強化試合だ。「とにかく強いチームと戦いたい。アジアとは対戦しているので、他大陸のチーム、国際サッカー連盟(FIFA)ランクで私たちより上のチームと試合をしたい。W杯は国外開催なので、殺気があるような雰囲気、日本の感覚をひっくり返されるような環境で勝っていく必要がある」と表情を引き締めた。
「どの競技、どの分野であっても日本が世界一になることは誇りになる。私たちが勝ちたい、成功したいという思いはもちろんある。同時に応援してくださる方々に喜んでもらうことが私たちの喜びにもなる」。サッカーファミリーの輪を広げ、一丸となってW杯を戦う機運を盛り上げていく。