「脚のむくみ」に食べるといいもの、やるべき運動。寝てもパンパンなときは病院へ
「脚のむくみがひどい」という読者の悩みを、産婦人科専門医の高尾美穂先生が解決します。ウォーキングのような全身運動をすることや、冷やしすぎなこと、食べるといい食材など、解決策を詳しく教えていただきました。
読者のお悩み:夕方になると脚がむくむ…。いい対策法はないですか?
35歳頃からむくみが気になり、夕方になると脚に血がたまっていくのがわかるほど。ひどい日は、まるで象のような太い足首に…。かかとの上げ下げを15分ほどしていますが、なかなか改善しません。(Kさん・44歳)
専門医の回答:脚はむくみやすいので、脚の筋肉を動かして解消を
脚のむくみは、血液や余分な水分(リンパ液)の滞りが関係します。心臓から送り出された血液は動脈を通り全身に栄養や酸素を届けたのち、老廃物などを回収しながら静脈を経て心臓に戻りますが、心臓からもっとも遠い脚は重力の関係で血液やリンパ液が滞り、むくむのです。 このとき、ふくらはぎの筋肉がしっかり働けば、ポンプのごとくむくみを心臓側に押し戻しますが、女性は筋肉が少ない人が多く、また加齢により筋力が低下するため、なかなかむくみが解消できません。同じ姿勢で過ごす人や運動不足の人は、ふくらはぎをあまり動かさないため、夕方になると脚がパンパンになる傾向があります。
運動量を増やすなどし、むくみを追い出して
相談者さんはかかとの上げ下げをしていますが、局所的な筋トレは運動量が少なく、むくみを押し戻す効果はいまひとつ。おすすめはウォーキングのような全身運動。大きな筋肉であるお尻や太ももと同時にふくらはぎの筋肉もよく動くため、むくみを解消できますよ。 また、座るときは足置き台を利用する、着圧ソックスを履く、マッサージや屈伸をこまめにする、冷やしすぎを避けることも、むくみ対策には効果的です。 食事面では塩分を控えると同時に、塩分の排出を促すカリウムを含む野菜を意識して摂取を。なお、むくみやすい人は水分を控えがちですが、体内の水分量が十分でないと体は水分をため込もうと働くので逆にむくみます。今が旬のキュウリのような夏野菜を食べると、カリウムと同時に水分も摂取でき、むくみ解消にひと役買ってくれますよ。 夕方には目立つむくみも、大抵はひと晩寝れば解消します。心配なのは、寝てもむくみが戻らないケース。慢性的なむくみがある場合は、心臓や腎臓、脚の静脈などになにかしら問題があることも。内科医などに相談してみましょう。
ESSE編集部