東京駅から快速で90分で行ける秘境路線「100円稼ぐのに1万3580円もかかるって!?」 いま存続の危機が噂される屈指の“赤字ローカル線”とは
JR東日本の中でもっとも採算性が悪い赤字路線
東京駅から総武線快速に乗りおよそ90分、千葉・内房線にあるJR木更津駅。そんな木更津駅から君津市にあるJR上総亀山駅を結ぶローカル線が「久留里(くるり)線」です。 【画像】屈指の秘境路線 「JR久留里線」に乗った写真を見る(30枚) いま、そんな久留里線の存続が危ぶまれています。
JR東日本は2024年10月29日、利用客が少ない区間の昨年2023年度の収支を公表しました。 収支を公表したのは、1日1キロあたりの利用客が平均で2000人未満の区間を対象とし、在来線66路線190区間のうち36路線72区間となっています。 東北地方を中心に、収支的に赤字の路線が記載されていますが、注目されるのがこの久留里線、久留里駅~上総亀山駅の9.6km区間です。 100円の運輸収入を得るためにかかった営業費用を示す営業係数は、なんと1万3580円。JR東日本の赤字路線の中で、もっとも採算性が悪いという結果になっています。 東京からもそれほど遠くない千葉県にありながら、その存続が危ぶまれているJR久留里線とはどんな路線なのでしょうか。実際に乗ってみました。 ※ ※ ※ 木更津駅から久留里駅を通り、上総亀山駅に向かう全長32.2kmの久留里線は、千葉県内のJR線としては唯一残る非電化区間です。またSuicaに対応していないため、運賃は現金で支払う必要があります。 ただし、土曜・休日に東京近郊のJR東日本の特別企画乗車券「休日おでかけパス」は利用できます。 木更津駅から途中の久留里駅まで行く列車は1時間に1本程度あるものの、久留里線の終点、上総亀山駅まで通しで運行する列車は1日5本。朝6時25分発、朝7時25分発を逃すと、次は13時1分発までおよそ5時間半待つことになります。 終点上総亀山駅まで行く、この朝7時25分木更津駅発の久留里線に乗るには、東京駅を5時42分に発車する総武線快速に乗らないと間に合いません。
実際に久留里線に乗って旅してみた
JR久留里線を楽しむには、じつはJR千葉駅から発車する高速バス鴨川~千葉線「カピーナ号」に乗り、途中のバス停「亀山・藤林大橋」で降りると便利です。 つまり行きは高速バスで向かい、帰りに久留里線を全線乗車する、という魂胆です。“ホンモノの乗り鉄”の方々には邪道と思われるかもしれません。