鈴木亮平×森田望智が語る『シティーハンター』。"はじまりの物語"に詰め込んだこだわりは?
――それが結果、大正解だった気がします! 鈴木 それ、絶対に書いといてください(笑)。 ――一方、森田さんは槇村香を演じる上で意識したことはありますか? 森田 私は原作を読み込んで、原作の第302話「悩めるシュガーボーイ」に出てくる女子高生の頃の香ちゃんをすごく意識しました。 鈴木 またマニアックな(笑)。 森田 皆さんがイメージするボーイッシュな香ちゃんになる以前の、ちょっと少女らしい一面、幼さみたいなものを積み重ねていった上で、今の香がいるっていうのを、すごく意識しました。 その上で「真っすぐ」「愛情深い」「チャーミング」「パワフル」の4つの香ちゃんをずっとこの台本の横にメモりながら現場に挑みました。それプラス、お兄さんへの思いです。「お兄さんの敵を取るのだ」っていう強い気持ちです。演技で迷ったときは、この5つを必ず思い返してました。 ――現場では鈴木さんに相談することもあったとか。 森田 たくさんアドバイスをいただきました! 感情の面でもそうですし、ちょっとした言い方や細かいディテールの部分とか。こんなに共演者の方と自分の役について話したのは初めてです! 鈴木 ほんとごめん! 普段は絶対にアドバイスなんかしないんですよ。役者さんに失礼ですから。でも、『シティーハンター』マニアとしては譲れない部分があって......。 森田 いえ、すごく助けていただきました! もう、ことあるごとに「師匠!」って感じで聞きに行ってしまうぐらいに。そこで鈴木さんから出てくる意見が的確すぎて、心強かったです。 鈴木 森田さんとの会話で特に覚えているのは、香が持っている「100tハンマー」の扱い方ですね。今回、香が最初にハンマーを持ったときに「なんかしっくりくる」ってセリフがあるんですけど、これがすごく大事なんです。 「ああ、やっぱり香はハンマーを持つとしっくりくるんだな」と思わせたかった。それにハンマーは重いけど、香はその重量で振り回されない。森田さんと一緒にハンマーの振り方を何度も研究しました。 森田 「いろんな叩き方、振り回し方があるよね」ってあれこれ試しているうちに、まるで部活のコーチと生徒みたいな感じになってました(笑)。