行政書士が「社労士資格も取れ」と後輩に教える歴史的背景~複数資格を持つ士業は成功しやすいか?~ (横須賀輝尚 経営コンサルタント)
■そもそもの目的を忘れてはいけない
しかし、それ以上に重要なことがあります。それは、そもそもの「目的」です。 もし、あなたがさまざまな資格を取って、ワンストップサービスの事務所を創業することを当初の目的とするのであれば、あなたにとって複数の資格は必要なものといえます。この場合は自分にとって必要な資格を取っていけばよいでしょう。 これに対して、「資格がひとつだと心配だからもっと資格を取る」「先輩にアドバイスされたから資格を増やしたい」というのは、本来の目的を忘れてしまっています。 そもそも、あなたは何のために資格を取ったのか。どんな仕事をしたかったのか。こういった「目的」や「目標」を忘れてしまうことで、他人の意見にも左右されやすくなるのです。 もし迷ったときは、「なぜその資格を取ろうと思い、その資格を取ったのか」という原点に返って考えてみることが重要です。前述のとおり複数資格の事務所のビジネスの成功確率は、資格の数との関連性はありません。ぜひ、あなたの意思を尊重して、決断してください。
【プロフィール】
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。