新潟がJ1残留 スタイル封印し浦和と引き分け勝ち点1 堀米主将は涙「本当に苦しいシーズンだった」
J1新潟は、アウェーで浦和と0―0で引き分け、勝ち点を42に伸ばしてJ1残留を決めた。立ち上がりから守備に重点を置いて戦い、相手を自由にさせなかった。後半は好機をうかがいつつも堅守を継続し、敵地では勝ったことがない難敵に得点を許さなかった。今季の最終順位は16位だった。 残留をつかみ取ることだけにチームで意識を統一して90分間やり通した。17年の降格を経験したDF堀米主将は重圧から解放されて涙が止まらなかった。 「自力で決めたかったのでほっとして、みんなの顔を見た瞬間(泣いた)。本当に苦しいシーズンだった。ずっと中位から下位をさまよう中で、1年間一緒に戦ってきた仲間の顔を見て、残せて良かったなと」 最低でも勝ち点1を取る戦いを選択した。松橋監督が「守備のタスクに関してはパーフェクトにやってくれた」と言うように、FW、サイドハーフは無理に前からプレッシャーにいかず、全体のコンパクトさを保ち続けた。最終ラインは体を張り、相手シュートを6本に抑え込んだ。 後半は残留を争う磐田の試合展開を気にしながらプレー。ピッチ内では磐田が負けているという状況を受け、よりゴールを目指すか、このまま守備重視でいくかで多少意見が分かれたという。それでも「後ろは今の流れのまま。前の選手はキープよりも裏に抜けた時はチャレンジしていいと、しっかりと統一できた」と堀米。最後までまとまって戦った。 ただ、残留を果たしても喜びはなかった。何度も自陣深くまで戻って守備をしたFW小野は「どれだけ0―0で耐えて、自分たちの時間を引き寄せられるかが一番大事なポイントだった。本当はあそこ(自陣深く)に帰りたくないし、パワーを使いたくないが、J1に残る目標のため(のプレー)」と語った。 今季はルヴァン杯準優勝の一方で、リーグ戦は大量失点での4連敗を含め9試合未勝利でフィニッシュ。終了間際の失点で追いつかれて勝ち点を失う試合も多く、安定しない戦いぶりが笑顔なき最終節を招いた。 「僕たちのスタイルではない最終戦。自分たちのスタイルを曲げざるを得なかったというところまで追い込んでしまった。しっかりと反省して来シーズンに向かって行かないと同じことの繰り返しになる」。堀米は悔しさをにじませ、来季の巻き返しを誓った。 (西巻 賢介)