かつては、低収入でも「結婚したい」と思えた日本だが…現代人の「難婚」がスッと腑に落ちる“心理カウンセラーのひと言”【中央大学教授が解説】
結婚に幻想を抱いてしまうワケ
しかも、新自由主義的経済発展と同時に、あらゆる「選択」は「個人の責任」に帰すようになってしまいました。「自助・共助・公助」の順番で、個人の努力が徹頭徹尾求められる時代、「結婚」が成功するか失敗するかもすべてが「個人の責任」となったのです。 人生の情緒面を満たしてくれる「恋愛」。人生の経済面を保障してくれる「結婚」。本来、異なるベクトルを持つ異種のゴールを、同時に手に入れなくてはならない緊張感は計り知れません。 どちらか一つならば専念して集中できるのに、両方同時は難しい。二兎を追うものは一兎をも得ず。どうしてもどちらかに比重を傾けざるを得ないのです。 ゆえに「恋愛感情はほどほどに、経済的安定性を重視する」とか、「恋愛を重視したいから、結婚後の生活の安定は気にしない」などと優先順位をつけられればいいのですが、現実には「顔が良くて背も高くて、高学歴で年収1000万円以上の男性と大恋愛して結婚したい」と、複数の異なる要素をすべて叶えようとしてしまう。 ほぼ不可能な幻想を真剣に求める婚活現場が誕生してしまうのです。 山田 昌弘 中央大学文学部教授 社会学者
山田 昌弘
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