前半セットプレーから3発で勝負を決めた京都U-18が大勝で2回戦へ!! 仙台ユースはトップ昇格MF横山が意地のゴール
[12.6 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ1回戦 仙台ユース 1-5 京都U-18 広島広域公園補助競技場] 【写真】影山優佳さんが撮影した内田篤人氏が「神々しい」「全員惚れてまう」と絶賛の嵐 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2025参入を懸けたプレーオフが6日開幕し、1回戦が行われた。Bブロックのベガルタ仙台ユース(東北1、宮城)と京都サンガF.C.U-18(関西2、京都)との一戦は、5-1で京都U-18が大勝。浦和ユース(関東3、埼玉)との2回戦(8日)に進出した。 立ち上がりから勢いを持って入ったのは京都U-18だった。ボランチのMF尹星俊(2年)、MF昌山勇(2年)がボールを落ち着かせ、攻撃陣にボールを供給し、左サイドのDF小林治英(3年)や、MF酒井滉生(2年)が鋭い突破を見せて決定機を作り出していく。仙台ユースはDF門脇康太(3年)やDF一色竜二(3年)の体を張った守備で何とか食い止めていたが、前半17分に京都U-18がセットプレーのチャンスを得る。昌山が蹴り出したCKは仙台ユースGK室井陸杜(3年)に弾かれるも、こぼれ球を拾ったFW西岡佑真(3年)がシュート。これはクロスバーに当たるが、こぼれ球を小林が押し込み、京都U-18が幸先良く先制した。 勢いに乗る京都U-18は20分に追加点。昌山のFKにファーサイドのMF立川遼翔(3年)が頭で合わせると、シュートは室井の頭上を越えてゴールへ。さらに30分、昌山が蹴り出したCKは仙台守備陣に当たってオウンゴールとなり、セットプレーだけで3点のリードを得ることに成功して、前半を終えた。 点を取っていくしかない仙台ユースは、後半開始から左サイドハーフMF浅尾涼太朗(2年)に代えて長身FWピドゥ大樹(2年)を投入。ピドゥとFW櫻田彪仁(3年)の2トップとし、この日FWに入っていたMF齋藤俊輔(3年)をトップ下とした。そしてボランチの位置に入るトップ昇格内定のキャプテンMF横山颯大(3年)を右サイドハーフに起き、より攻撃的な布陣とした。この起用に応え、横山はシュートを積極的に狙っていった。 しかし京都U-18は前掛かりとなった仙台ユースの背後を突き、20分には右SB柴田了祐(3年)がフリーでドリブルで上がってシュートを決め4点差に。それでもゴールを目指した仙台ユースは28分、横山がシュートを決める。反撃ムードが高まった仙台ユースだったが、35分に退場者を出して数的不利に。すると、40分、京都U-18は途中出場のFW阿部亮馬(2年)がダメ押しゴールを決めて試合終了。5-1で京都U-18の大勝に終わった。 京都U-18の石田英之監督は「入りが良くて相手陣内に押し込み、先制点、追加点と取れたことが大きかったです」と前半セットプレーで効果的に加点できたことを喜んだ。「スカウティングでもセットプレーがウィークだと思ったので、それが取れたのが大きかったですね」と相手の弱点をうまく突けたことを勝因として語った。昨年も今大会に出場し、1勝したが2戦目のファジアーノ岡山U-18戦に敗れて涙を呑んだ。石田監督は「今日は過度に緊張せず自分たちを出せました。そして今はもう、緩んでいる選手はいません。次、やるぞというエネルギーを感じます」と昨年の経験を踏まえ、試合直後には浦和ユース戦に向けて、気持ちを切り替えている選手たちの様子に手応えを感じているようだった。 一方の仙台ユースは、今年何度か露呈していたセットプレーからの失点という課題がこの試合で致命傷になってしまった。「相手がパワーを持って入って背後を取られて、セットプレーになると分が悪くなりました。向こうの狙い通りやられました」と安川洋介監督は悔やむ。2週間前のプリンスリーグ東北最終節青森山田高セカンド戦でも前半複数失点を喫しており、この敗戦から続く嫌な流れを断ち切ることができなかった。意地のゴールを挙げた横山だったが「チャンスが自分にも1、2回あったので、もっと脚を振れていれば」と悔やむ。「今日の内容ではプロで通用しません。変えていくべきところがまだたくさんあります。1年目から試合に出られるようにやっていきたいです」と横山はこの日の悔しさをバネに、来年プロの舞台で活躍しようと意気込みを語った。 (取材・文 小林健志)