何がどう変わった? ヴィッセル神戸が三浦淳寛氏に緊急監督交代してから連続完封勝利を成し遂げた理由
右足首の故障から復帰した後は、過密日程が続くなかで5試合続けて先発フル出場。3連勝中には今シーズン初ゴールを含めた2発を決め、さらに味方の6つのゴールにも絡んでいる36歳のレジェンドは「いままでの悪い流れを断ち切れた」と、新体制でのスタイルに全幅の信頼を寄せている。 「監督はすごくクリアなコンセプトをもっているし、チームとして、そのコンセプトのもとで心地よくプレーできている。チームとしてこの方向性で成功していきたい。準備する時間はそれほど多くないけれども、ゲームの大半を支配するサッカーができる選手がこのチームにはそろっているので」 コンサドーレ戦は相手の支配率が上回り、先制点以外はすべてカウンターから生まれた。一転してグランパス戦は6割近くを支配し、最少得点に終わったものの、シュート数でも14対4と圧倒した。 「ボールを支配することは、今日の試合でもできたと思っています。もちろん精度を上げて、無駄なボールロストを減らす、といった課題もありますけど、今日は選手たちが十分にやってくれた」 三浦監督は短い期間におけるチームの変化を、かすれた声でこう語った。クラブとして志向してきたボールを握り続けるスタイルに融合されつつある、豊富な運動量をベースにした泥臭いまでの守備の意識。突出した輝きを放つイニエスタの存在を含めて、フィンク前監督が一時は白旗をあげたヴィッセルには右肩上がりの軌跡を描き出しそうな、ポジティブな雰囲気が満ちている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)