認知症は予防する時代?!アルツハイマー予備軍かどうかを発見できる「健脳ドック」に行ってみた!
PETでわかる、お酒飲みの脳!
これがPETの機器。MRIとどう違うか、ぱっと見わからないけれど、でも検査前に検査薬を注射するので、ちょっと緊張。 「アミロイドβの量は、全く問題ないですね。今の段階では、正常範囲の蓄積です。よかったですね」 数値的には、1以下は問題なし。1.15がボーダーの値とのこと。一安心しつつも、この物忘れは老化か。これはこれで対策を教わらないと…。
「PETでは、いろんなことがわかります。例えばこれ。右2枚はアルツハイマー陽性の方の脳です。この周囲からの切れ込みが鮮明でないことからわかるのです。 真ん中の蝶のような形、これは脳室、脳脊髄液の流れているところです。これは、大きく膨れてくるとよくない。MRIの方がこれはよくわかるけど、水頭症の疑いになります。 それよりこれ、ご自身の小脳の画像をみてください」 な、何だろう??
「お酒飲んでますねえ~。画像下、下側の逆ハートみたいなのが小脳なんですが、右があなたのです。富士山に雪が積もったみたいになっているでしょう。これ、お酒のせいなんです。 左の人には、白い部分が全然ない。肝機能が強いから飲めるので飲んでしまうのでしょう、富士山に雪がバリバリ積もっていますよ。見事です! これは飲んだ量に確実に比例するんです」 かなり立派に積もっているらしい。なんとバレバレ…。 「積もっているからといって、症状が出るわけじゃないんです。でも脳の萎縮はしていくことが予想できますね。今わかって、ちょうどよかったじゃないですか。休肝日作ったほうがいいですね。 高コレステロール、高脂血症、高血圧などに気をつけて、WHOが出している『健康長寿のための12か条』を実践する意識が大切です」 この12か条、特に身体の健康に関わるのは、以下の3か条。 ●食生活:いろいろ食べて、やせと栄養不足を防ごう! ●お口の健康:口の健康を守り、かむ力を維持しよう! ●体力・身体活動:筋力+歩行力で、生活体力をキープしよう! 「お酒に関していえば、いちばんよくないのは、弱い人がつきあいで無理に飲んで、肝臓に負担かけることです。 ともあれ、強くても、やはりめりはりをつけて、やばいと思ったら調整することですね」 血液検査は、いつものごとく、コレステロールは高め。でも善玉コレステロールが高いので大丈夫。認知症にかかわる、ビタミンB12 葉酸は正常なのでよし、とのこと。それにしても、脳の萎縮、特に前頭葉の萎縮を食い止めないと…。最近、脳トレの本とか、いろいろ出ているけど、どういうことをしたらいいんだろうか? 「前頭葉を刺激するには、やりがい、意欲がポイントなんです。脳の活性化についていえば、ドリルは例えば、数式ドリルだとすると、脳の同じところだけ使うわけです。注意力は養えるけれど、でもそれほど楽しくないし、認知症の予防にはならないんです。 それよりは麻雀やトランプだと、相手がいて常にいろんな戦略を考えるからいいんですよ。ま、あなたの場合はお酒の影響がいちばん。物忘れなどに気づいたら、ちょっと注意すべし、ですね」 ちなみに、2023年末に保険適用になったと先に書いた、アミロイドβを取り除く作用がある薬レカネマブは、半年でアミロイドβをかなり減らせるそう。 「1年半で多くの人が-60%減ったという平均データがあるんです」 神経細胞が死んでいくと、委縮が加速していってしまうので、「火事が広がらないうちに火元を消そう」という意味では、気になる人は一度検査をしてみるのもいいかもしれない。 PET写真協力/アルツクリニック東京 構成・原文/OurAge編集部員・くみくみ