【1週間やってみた】「30品目の植物性食品を食べる」実践してわかった驚きの教訓とは…おすすめ植物性食品のリストも!
科学者によると、長い間奨励されてきた「1日5皿分の野菜や果物を食べましょう(5 A DAY)」という指針はもう古い。今では「1週間に30種類の植物性食品を食べましょう(30 PLANT A WEEK)」が主流になっている。 【写真】カルシウムが超豊富な10の植物性食品 簡潔に言うと、前者より後者のほうが健康に有益だと専門家は主張している。 「腸の健康を劇的に改善させる鍵は、週に30種類の異なる植物を食べ、1日の食物繊維の摂取量を30gに増やすことです」と話すのは、『The 30 Plan』を著書に持つ管理栄養士のキャサリン・ラベス氏。 週に30種類なんて不可能に思えるかもしれないが、植物とは果物や野菜に限られているわけではない。豆類や全粒穀物、コーヒーやチョコレートも「植物」としてカウントされる。アメリカ、イギリス、オーストラリアの1万人の市民科学者が参加した2018年の研究「The American Gut Project」では、週に30種類以上の植物性食品を摂取している参加者たちに、ある種の善玉菌の数が多いという共通点が確認された。これは「30 PLANT A WEEK」という指針が誕生したきっかけとなっている。 また、この概念に個人の食の嗜好(肉食者、ベジタリアン、ヴィーガンなど)は重要でないため、30種類の植物を摂るという目標は誰にでも達成可能となっている。今回はこの内容をイギリス版ウィメンズヘルスからご紹介。
週に30種類の植物を食べるべき理由とは?
なぜこれが健康に有益なのだろう? シンプルに、体に取り入れる食品の多様性が増え、その結果として腸内のプレバイオティクスの数が増加するため、善玉菌がしっかり栄養を得られるようになるからだという。 実際に、腸内の善玉菌の数と微生物叢の多様性を増やすことが、健康で長生きするための秘訣であるという理論を支持する研究は数多く存在している。また、腸内微生物叢の多様性を高く保つことにより、慢性疾患や心臓病のリスクを減らしたり、メンタルヘルスを向上できるなどのさまざまな利点が報告されている。 The American Gut Projectの英国部門を率いるキングス・カレッジ・ロンドンのティム・スペクター教授は、1日に5皿分の同じ果物と野菜を食べる代わりに、幅広い種類の植物を食べることのほうが、善玉菌の多様性を増やすうえではるかに有益だと提案している。 「実際に、腸内微生物叢の状態が最もよい人々は、週に30種類以上の異なる植物を摂取していることが研究で示されています。これは、週に摂取する植物が10種類未満である人々と比較されたものです」と説明するのは、プラントベース・ヘルス・プロフェッショナルズの認定ライフスタイル医学の専門家であり栄養士のロヒニ・バジェカル氏。 この研究は、食事法(ヴィーガンやベジタリアンなど)というよりも、どれだけ多くの種類の植物を摂取するかが、健康な腸内微生物叢を支える上でいかに重要であるかを示しているという。「食物繊維たっぷりのヘルシーな食事に加えて、定期的な運動、健康的な体重の維持、ストレスの軽減、友人や家族との時間、喫煙を避ける、アルコール摂取の制限といった健康的な生活習慣が、腸の健康を左右する要となるのです」とバジェカル氏。 「30 A WEEK」に関する書籍は、キャサリン・ラベス著『The 30 Plan』やヒュー・フェアンリー=ウィッティングスタル著『How to Eat 30 Plants a Week』を始めとし、近年続々と出版されている。 だが、この指針に対する正当な批判もあり、一部の専門家は“健康的な食事を複雑にする恐れがある”と指摘している。「食の多様性は重要ではありますが、週に30種類の植物を摂取することを最重要事項と捉える必要はありません。これは1つの推測された調査に基づくものであり、厳密に収集された食事のデータではありません」と話すのは、『Genius Gut』を著書に持つマイクロバイオームの科学者、エミリー・リーミング博士。