マリー・アントワネットの「首飾り事件」由来!? 300カラットのダイヤネックレスが7億円で落札
ルイ16世の妻でフランス革命時に断頭台の露と消えた悲劇の王妃マリー・アントワネット。彼女ゆかりのダイヤモンドネックレスが11月13日にジュネーブのサザビーズで行われたオークションに出品され、予想落札額のおよそ2倍となる479万ドル(約7億4000万円)で落札された。アートネットが伝えた。 【写真】約7億4000万円で落札されたマリー・アントワネットの首飾り だが、このネックレスをマリー・アントワネットが身に着けていた訳ではない。アントワネットファンなら誰もが知る、1785年の「首飾り事件」のダイヤモンドが使われていると考えられているのだ。「首飾り事件」は、没落貴族のジャンヌ・ド・ラ・モットが、王室御用達の宝石商ベーマーから金塊1トン分の価値を持つ160万リーブルの首飾りをロアン枢機卿に買わせ、それを王妃に渡すと偽って騙し取った詐欺事件だ。この事件が発覚すると、アントワネットも関与しているのではないかという噂が流れ、彼女は裁判で無罪となったものの、評判は傷ついたままとなった。 事件のネックレスは、650個近いダイヤモンド(総重量2800カラット)で出来ており、その後分解し売却された。サザビーズによると、ロンドンのボンドストリートの宝石商がダイヤ350個を当時の1万ポンド以上で購入したという。同社の宝石部門責任者ジェシカ・ウィンダムも「ダイヤモンドネックレスの一部は、マリー・アントワネットの失脚につながった有名なダイヤモンドの首飾りから出た可能性があります」と強調する。 今回出品されたネックレスは、ダイヤモンドを3列に繋げた両端に房飾りを付けたジョージ王朝時代のデザイン。総重量は約300カラット、長さは66センチ以上あり、そのまま首に垂らして着用することも、スカーフのように前で結ぶこともできる。 ネックレスはイギリスのアングルシー侯爵家に受け継がれていた。公の場で着用された最も有名な例は、1953年のエリザベス2世の戴冠式に第7代アングルシー侯爵の妻シャーリー・モーガンが着用した時だ。その後ネックレスはアジアのコレクターに売却され、今回さらにほかの人物の手に渡った。サザビーズの宝石部門責任者であるアンドレス・ホワイト・コレアルは、France24の取材に対し、「購入したお客様は大喜びでした」と明かした。そして「彼女は私にとても素敵なことを言ってくれました。このネックレスを落札できて嬉しいが、所有しているわけではない。次の人が現れるまでの保管人であるだけだ」と語った。