緊迫の試合続いたサンフレッチェ広島、「闘紫」最後まで…加藤選手のヘッドに沸いたEピース
8日のサッカー・J1最終節で、逆転優勝を目指しアウェーでのガンバ大阪戦に臨んだサンフレッチェ広島。パブリックビューイング(PV)が行われた「エディオンピースウイング広島」(Eピース、広島市中区)には約5800人が詰めかけ、声援を送った。試合に敗れ、リーグ制覇は逃したが、サポーターらは拍手で選手たちをたたえた。(柴山倫太朗、綾木佑我) 【写真】記者会見で、今季の戦いを振り返るスキッベ監督(9日、広島市中区で)
サンフレッチェは今季、高い攻撃力を武器に優勝争いを繰り広げた。首位のヴィッセル神戸と勝ち点1差で迎えたこの日、9季ぶりの優勝をかけて戦った。
試合開始前からEピースには、紫色のユニホームやマフラーなどを身につけたサポーターが駆けつけた。ホーム戦は毎試合、スタジアムで観戦しているという山口県宇部市の会社員(56)は「先制点が大事になる。松本泰志選手や加藤 陸次樹むつき 選手が活躍してほしい」と応援用の旗を振った。スタジアムの大型モニターにはバスケットボール・Bリーグの広島ドラゴンフライズに所属する山崎稜選手からの「広島一丸!熱い応援で勝利をつかみましょう!」というメッセージも映され、雰囲気を高めた。
前半早々に先制点を許す展開となったが、後半、加藤選手がゴールネットを揺らすと、サポーターは大盛り上がり。だがオフサイドと判定されて得点は認められず、ため息が漏れた。
その後、サンフレッチェは2失点を喫したが、試合終了間際に加藤選手のヘディングシュートで1点を返すと、観客はハイタッチで喜んだ。結局、1―3で敗れたものの、最後まで全力でプレーした選手たちに大きな拍手が送られた。
前身の東洋工業(現・マツダ)時代から50年以上応援している広島市安芸区の会社員(66)は「選手たちも緊張していたと思う。加藤選手の意地のゴールには感動した」とねぎらった。今季限りで引退する青山敏弘選手のファンという同市安佐南区の非常勤講師(51)は「青山さんの引退を優勝で飾ってあげたかった。将来は監督として戻り、チームを優勝させてほしい」と期待した。