三菱電機が「光エンジン」、米社とチップセット開発
三菱電機は米POETテクノロジーズと協業し、光トランシーバーの主要部品である「光エンジン」を開発する。これまで個別素子を光ファイバーと結合していたが、シリコンフォトニクス技術を使ってシリコンインターポーザー上にそれぞれの素子を集積し、一つの光エンジンにする。2025年前半にチップセットを開発し、生成人工知能(AI)向けの光通信において求められる高速応答性能や消費電力、コスト面などの検証を行う。AIの普及で必要性が増す高速光通信の需要を捉える。 【一覧表】電機メーカー8社の業績詳細 三菱電機は高速・長距離伝送が可能な「EML(電界吸収型変調器付きレーザー)」で世界シェアの約5割を持つ。 今回開発するチップセットに合わせ、三菱電機は専用のEMLをPOETテクノロジーズに提供する。POETテクノロジーズがそのEMLなどを専用のシリコンインターポーザーに集積し、光エンジンとして実装する。 また、光電変換効率に優れ、高速変調可能なリン化インジウム(InP)を変調器として一体集積。AI向けの光通信に必要とされる高速かつ省電力な小型の光エンジンを実現する。具体的には小型化により、対抗する二つのトランシーバー間を1秒当たり1・6テラビット(テラは1兆)および3・2テラビットで通信可能な光トランシーバーを実現する方針だ。 両社はそれぞれの技術を融合、シナジー(相乗効果)を創出することで新製品を生み出せると判断し、協業に踏み切った。